映画『すずめの締り』を観てきました。
とてもざっくりいえば、女子高生すずめが日本全国を旅する話です。ただ、その立ち寄る場所というのが、災害で放棄された集落、潰れたレジャー施設、そして、東日本大震災の跡地でした。特に震災跡地は、結構な時間が取られており、また頻繁に地震の描写もあったので、この映画の重要なファクターだったといえるでしょう。
東日本大震災では、復興支援ボランティアとして足掛け5年東北に足を運びました。東北に縁のある者として、少しでも何とかしたいという想いからでした。この5年間に約2年間は海外にも住んでいましたが、それでも一時帰国の度に何らかの支援活動をしていました。その際に、当時民間人だった音喜多駿さんと出会い、そのご縁が長年続いた結果、今に至ります。
この映画を見ていると、ボランティアに行ったときに出会った人達のことを思い出されます。例えば、南三陸町で防災アナウンスを最期まで行っていた女性がいました。私ががれき撤去に行ったとき、その女性の実家を担当しました。女性のご遺体が見つかったとのことで、お父様がきれいな家で迎えたいとボランティアセンターにがれき撤去の依頼を出したのでした。お父様の「娘が戻ってくるんですよ」と力なく発せられた言葉は今でも忘れられません。
そういう経験を何度もしたから、自分は世の中のために何ができるのかと、自問する機会が増えたのです。