港区子ども家庭総合支援センターを視察してみた

北区に置きましては、仮称北区児童相談所等複合施設(児童相談所・一時保護所の整備に併せて子ども家庭支援センター、児童発達支援センター、教育総合相談センターを複合化)の建設が計画されており、赤羽台1丁目(旧赤羽台東小学校跡地)に令和6年度より着工予定となっております。

こうした状況を念頭におき、新施設の参考になるのではないかと、10月19日に、北区議会文教子ども委員会のメンバーおよび北区職員と、港区子ども家庭総合支援センターに視察に行ってまいりました。この施設は、子ども家庭支援センター、児童相談所、母子生活支援施設が一体となった複合施設となっております。

令和3年度に開設した港区の本施設ですが、例えば、用地取得のために約72億円かかった、高級住宅街の中にこのような施設があると地価下落が心配、南青山のブランドイメージに傷がつくなど、様々なネガティブな話題がございました。そして、現状なのですが、特段、地価下落などおきず、住民に受け入れられていっているようです。もちろん、ただ何もせずに受け入れられているという訳でもなく、みなとハートフルフレンド(有償ボランティア)の輪を広げることで関係人口を増やしたり、イベントを開いて体育館を周辺住民に一時的に開放したりと努力をしているようです。

↑センター正面の南青山の光景

施設の内部そのものは、外の無骨な感じではなく、木のぬくもりが感じられるような雰囲気でした。特に1階はオープンな雰囲気が強く、カフェも併設されておりました。2階より上になりますと、職員の事務室、児童相談所、一時保護施設があります。場所によっては複雑化した動線、必要に応じたネットワークカメラの配備などセキュリティもばっちりでした。

この視察の中で特に考えさせられたのは、特別区が児童相談所を設置する意義です。一般的に児童相談所は都道府県の管轄となっております。この港区の相談所も、これからの北区の相談所も都の管轄ではなく区の管轄となります。これによって、地域密着型の支援ができる、学校など地域と連携しやすい、保護された児童の様子を確認に行くための職員移動コストの削減など様々なメリットが出てきます。一方、区施設のキャパシティの問題より一時保護を受け付けられない可能性も発生するというデメリットもありますが、今後、他区にも児童相談所ができることによって広域連携し、他区の児童相談所に一時保護を委託することも徐々に可能になってくるはずです。

こういった知見を活かし、仮称北区児童相談所等複合施設をよりよくできるようにしたく思います。

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