特定団体に忖度しないから切り込める・決算特別委員会 R5年3定3,4日目

本日、第3回定例会が閉会しましたが、決算特別委員会の振り返りです。3日目は福祉費、衛生費。4日目は環境費、産業経済費、土木費に関する質疑がされます。

特に3,4日目にあてがわれる歳出は、恩恵を受けている団体が多数いることも事実。別に特定の団体に忖度するのでもなく、いたずらに否定するわけでもなく、区民目線で、区全体の理にかなっているのかが大事ではないかと考えます。

以下、質疑の内容を原稿ベースで掲載しております。

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<<3日目 福祉費、衛生疑>>

それでは、まず高齢者福祉について伺います。すでに複数議員からも言及があった高齢者入浴券事業についてです。ヘルシー入浴補助券をうまく利用者できている人からは評判が良いと聞いています。私としても、入浴で出かけることによって、高齢者の孤立化を防ぐことに繋がり、銭湯が地域コミュニティの場となると認識しております。一方で、赤羽西や桐ヶ丘周辺には銭湯が少なく、不満を聴いている方もいらっしゃいます。

この補助券の利用状況の地域偏差について資料請求しましたが、明確なデータは得られませんでした。ただ、流石に銭湯がない地域でヘルシー入浴補助券を購入する方は少ないと考えられます。令和4年度において、この補助券利用状況に対する区の評価と、利用状況の地域偏差について、区でケアできることはないか?伺います。

→利用状況枚数18万 交付率15% 利用率67%(23区で平均で交付率20%  7割弱。)
昨年度から周知方法は、チラシ配布、北区ニュース。
北区だけでなく、他区との相互利用。周知の方法を工夫する。

例えば、カンが違うかもしれませんが、すどう議員が一般質問で提案されたとおり、桐ケ丘体育館改修の際に浴場施設の設置を考えるのも一つの手かもしれません。あらゆる方策でもって、この事業が有効に利用されることを望みます。

続いては、障害者福祉についてです。先ほどの質疑でも答弁があったとおり、ここ数年は、生活保護について、受給者の割合が高齢者から現役世代へとシフトしつつあります。コロナ渦において、その流れは加速しており、特に現役世帯の中でも、障害者世帯が増えています。生活保護は本来自立を促すための支援であり、障害者の就労も本気で取り組まなければならない課題のひとつであると考えます。

さて、北区における障害者就労支援事業において、令和4年の実績では2181人の方が障害者就労支援センター事業(ドリームヴィ、わくわくかん)に登録されているとのことです。この2つのセンターに割り振られた予算と職員数はどのぐらいだったでしょうか?

→ドリームヴィ、わくわくかんの合算:予算4267万円、常勤5非常勤7

単純計算で登録者÷職員数をすると、一人当たり180人を見ている計算となります。もちろん、登録者全員がアクティブな登録者かというと必ずしもそうではなく、センター職員にヒアリングをしたところ、実際には一人当たり120~130人を見ている人もいるとのことです。また、「北区障害者計画2021」によりますと、平成26年から令和元年の6年間で精神障害者が約1.5倍に増えており、ここ数年でもさらに同じように増えていると考えられます。障害者就労支援センター事業に対する予算規模は適切だったのかを伺います。

→実質的利用者は6割の1361人。職員1人当たり、113人。
利用者1人に対し、短い場合は5分~30分、長い場合は1,2時間。
適正と考える。今後精査はする。

例えば、派遣会社の営業は、数十人~百人程の人をアテンドやフォローしております。逆にいうと健常者ですら、百人が限界なのです。サポートのより必要な障害者となると、その労力は更に必要だといえます。担当者曰く、夜もサポートが必要と電話がかかってくるぐらい過酷な現場だとのことです。

障害者の就労は、障害者の自己肯定感にも関わってきますし、担税力に貢献することとなります。是非ともこちらに目を向けて頂ければと思います。

ベビーシッター利用支援事業についてもお伺いします。一時預かり利用料の助成が、当初想定の460件から利用実績が1357件と3倍近くとなりました。当会派の佐藤こと区議もベビーシッターを利用しておりますが、こういった事業で大変助かっております。他の利用者からも喜ばれているでしょうし、これほどの利用ともなると事業を制定した方も冥利に尽きるのではないかと思います。

ただし、やはり当初の想定と実績に乖離が大きすぎると言わざるを得ません。そもそもベビーシッター利用支援事業の令和4年度の想定件数はどのように考えて制定したのか、お伺いいたします。

→第1四半期ごとに補正を組んだ結果。

令和5年度予算には令和4年の状況を鑑みて制定されたと思いますし、パパママサポートのニーズはまだまだあるでしょう。令和6年において、財源をしっかりと確保していただくようにお願いいたします。

続いて、児童福祉に関する質問として、まずは子ども食堂について伺います。助成対象の子ども食堂の数が増えてきており、フードパントリーや居場所づくり、学習支援とその役割も多岐に渡ってきております。令和5年度には今後も、子どもの居場所をつくるために、団体の輪を拡大するには、区としてどのような施策が求められているか、ご教示ください。

→団体の輪の拡大は区としても望ましい。
ただし、まちの方の善意に寄りかかる状態。引き続き関心のある方に丁寧なアプローチを継続。

ボランティア団体や社会福祉協議会とうまく連携し、引き続き子ども支援の拡充に努めていただければと思います。

児童館やティーンズセンターの状況についても伺います。これらの施設はコロナ禍明けで、令和4年4月より令和5年3月にかけて徐々に利用者が増えていっており、児童館によっては月間利用数が4月と比較し、翌年3月が倍近くになっています。さらに、これらの施設においてもイベントが活発化しているとも聞いております。児童館やティーンズセンターの利用者の増加に伴い、職員の不足や運用体制上の問題が発生していないかを伺います。また利用者の増加によって、職員の業務に大きな変化があったかも併せて伺います。

→利用者が増えたというより、利用者が戻ってきたと捉えている。コロナ渦では利用者は少なかったが、消毒対応などで忙しかった。

コロナの扱いが5類に変更されてはいますが、アルコール消毒の徹底などコロナ渦から継続が続いている業務もあると考えられます。そのうえで人数が戻った場合でも大丈夫だと言えますでしょうか?

→コロナ前より、衛生状態には気を使っていたので、さほど負担感はない。

それを聞いて安心しました。コロナ禍からの状況の移り変わりについて、細かく観察し、区として適切なケアができるように求めます。

最後に子どもが生まれる前の福祉についてもお伺いします。

妊産婦健康診査、母子医療給付費について執行率が低く、

妊婦高血圧症候群等医療費、療育給付医療費の利用者数が低い状態です。これは単純に予測よりも申請数が少ないだけと説明を伺っております。念のための質問となりますが、基本的に当事者には案内が行き届き、必要な支援を受けられているという認識で良いか?

→必要な支援はしており、年度末に備えて枠を多くした。

福祉費などは油断しているとどんどん膨らんでいきます。いたずらに膨らませるのではなく、予防や就労支援、民間の力などを効果的に使い、安定した区政を目指すようにしましょう。それでは質問を終わります。

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<<4日目 環境費、産業経済費、土木費>>

それでは早速、環境費より質問させてください。

古紙などの資源回収について、区内・区外の業者の割合を確認すると4:6で区外の業者が多いと聞いています。業者の車庫から回収現場への移動において、消費されるガソリン量を考えると、CO2排出の観点からも、高騰する燃油代からの観点からも再考の余地があるのではないかと考えます。

また住民から「不法業者に資源を奪われて問題だ」というお訴えも頂戴しておりますが、パトロールの強化、防犯カメラの設置以外の新たな策として、近距離拠点からのスピーディーな回収も、不法業者の資源窃盗に対し、有効だと考えます。

資源回収について、区内業者に委託するメリットは大きいと考えますが、区内業者よりも区外事業者に委託する経緯について伺いたいです。

→H12年3月23区と関係者間で協議し「東京二十三区清掃一部事務組合」との覚書に基づく。
北区リサイクラー4台、都の契約6台。

本気の行財政改革の下、覚書を踏まえつつ、納税者である多くの区民にとって最適な状況とは何かを最優先に考えて頂ければと思います。これまでの実績もありますし、もちろん、区外業者が区民にとって最適だとの判断であれば、それはそれで問題ありません。是非、区民目線で、納得のできる説明をできるようにして頂きたく思います。

続いては、先に土木費について伺います。

賃貸マンション耐震化支援事業費の執行率が3年連続0%となっております。防災という観点では重要ではあると思われる本事業ですが、ここまでの執行率となると、広報なのか、使いづらい仕組みなのか、何かしらの問題があると思われます。賃貸マンション耐震化支援事業費の執行率が低い要因分析と今後の事業の展望について伺います。

→北区ニュースで広報し、アドバイザー助成 毎年4,5件の相談はある。
分譲マンションはニーズがあるが賃貸になるとニーズがなくなる。転居保障などで課題があった。

分析ができているようで何よりです。同様に、ゼロという訳ではございませんが、高齢者・子育て世帯の定住化を促すための三世代住宅建設促進等事業ですが、リフォームの採択件数が、3年間で採択件数が1件だけとこちらも低い数字が出ております。新築については採択件数がコンスタントに出ている中、リフォームの採択件数の少なさに対して要因分析と今後の事業の展望について伺います。

→当初は新築のみ対象の事業だったが、リフォームに拡大。リフォームについては建物全体の建て替えが求められるが、それによって一部ニーズに応えられていないと推測される。令和5年からは必要なニーズに併せて改正を行った。本年度は2件実績。

更なるニーズを分析し、より求められる助成制度を作って頂ければと思います。

産業経済費関連でお伺いします。

区内中小店舗キャッシュレス決済促進事業についてです。令和3年度は40件、令和4年度は35件と年々減少傾向になっております。これはキャッシュレス機器が区内に行き届いたと判断すべきでしょうか?区内のキャッシュレス事業の実態を伺います。

→都内比率では83.7%の店舗でキャッシュレス決済が導入されているようだが、区内実態を把握していない。

店舗の実態はきちんと把握した方が良いでしょう。また、キャッシュレスに限らず、今回の委員会にあたって、北区内の中小企業数についての資料請求をしましたが、資料のご提示が難しいとのことでした。区内の企業の実態などを早期に正しく把握していくことが、今後の山田区政の経済産業政策の要になってくるかと思います。機会を作り、是非、本格的な調査に乗り出すように要望致します。

渋沢翁関連商品開発助成について、お伺いします。本助成について、応募倍率が低水準で推移しており、令和3年度、4年度においては倍率が1.0倍でした。このような状況下、厳密に審査され、開発商品のクオリティを担保できていたのでしょうか?お伺いいたします。

→より多くの方に参加していただき、競争性の確保をしていきたい。

商品開発やブランドづくりに区も寄り添い、より競争力の高い商品が生まれることを期待します。

最後に地域振興総務費の産業団体等補助に関して、昨年はコロナで急遽開催できなかったお祭りのようなイベントもあります。区民まつりや王子狐の行列などがその一例です。元々開催するつもりであったはものの、急遽開催できなくなった事情を鑑みると、予算をつけていたこと自体は問題はないとは思いますし、良い伝統は続けていってほしいものです。コロナの影響で区の事業が軒並み潰れ、低い執行率の事業が見受けられる中で、あくまでも決算の確認という観点から、開催されなかったイベントについて、実際、どのような支出があったかを伺います。

→伝統存続のための活用、社務所、子狐はやし。伝統存続に有効利用。

本日の総括として、市場の状況やニーズを正しく掴み、予算を設定して執行して頂ければと思います。これで、質疑を終わらせて頂きます。

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