個人質問 本番原稿と回答要約-R5年2定

北区議会R5年 第2回定例会におきまして、下記のように質問させて頂きました。「⇒」の部分が区からの回答となりますが、瞬間的に完ぺきにはメモを取れなかったので、要約となります。

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日本維新の会の安達しんじです。私は、IoT機器の利活用について、DX化とサイバーセキュリティについて、水害対策について、の大きく3つのテーマで質問させていただきます。

はじめに、IoT機器の利活用についてですが、今回は特に障がい者福祉施設、高齢者住宅、街頭などに利用されうる機器について取り上げていきたいと思います。

まず一般的にですが、障がい者福祉施設というのは、障がいをお持ちの利用者や職員など様々な人たちが集まる場であり、運営上のトラブルも多々発生するかと思われます。実際に、職員が利用者に手を挙げてしまったなどの悲惨な事件や、予期せぬ事故などがニュースで時折報じられております。そこで現状の確認としまして、令和4年度の、北区内の障がい者福祉施設において、暴力事件、暴力疑いなどで調査中の事件、あるいは事故などが発生しているのか、その状況をお伺い致します。事件、事故というのは、あってはならないことであり、またその扱いは非常にセンシティブです。被害に遭われた方へのケアは勿論のこと、加害者や責任者とされる人についても、本当に問題を起こしたのかなど慎重に見極め、公正に対応の判断をしなければなりません。この判断に誤りがあると、えん罪や不当な責任を押し付けられ、その人の職業人生を台無しにしてしまう可能性もありえます。これは正規職員のみ関わらず、派遣職員や業務委託者に対しても同様であり、立場に関わらず、公正な事実の立証が求められます。そこで私が提案するのは、証拠能力となる見守りカメラの設置です。現在、区内の障がい者福祉施設におきましては、2016年の相模原市の障がい者福祉施設において、悲惨な殺傷事件が発生し、その対策として、防犯カメラの設置が進みました。施設内にはカメラを設置する環境や土壌はあると考えられます。職員を疑いから守るためにも、そして何よりも、暴力行為をけん制する意味で利用者を守るためにも、障がい者福祉施設における見守りカメラの設置を検討すべきと考えますが、お考えをお聞かせください。

⇒数件、事故や調査中の事件は数件あったとのこと。カメラ設置は、利用者を配慮して慎重。

次に高齢者住宅へのIoT機器の設置について、伺います。現在、北区に限らず日本中で高齢化は非常に深刻です。ここで注目したいのは、ご高齢の単身者も増えているということです。元々結婚していない方の他、パートナーに先立たれてしまった、子どもが独立してしまったなど様々な事情があるかと考えられます。区内のとある自治会におきましては、安否確認のため、高齢の単身者の家を一軒一軒見回りしているとのことです。これは非常に時間や労力がかかるだけでなく、気性の激しい方のお宅を訪問すると、トラブルに巻き込まれるリスクもあるそうです。そういった意味では、見守り電球などの安否確認用IoT機器を使うことが、この見回りの効率化やトラブル回避に繋がるかと思います。人が赴く形の見回りによって、人と人とのふれあいができるという意見もありますが、これからの高齢化社会において、見回り対象者はさらに増えていき、このまま人力に頼っているといつかは限界がきます。見守り電球は一定時間、スイッチのOn/Offの切り替えがなければ、関係者にメールが通知されるシステムです。北区においては、「住宅確保要配慮者の補償サービス付き・見守り電球初回登録料助成事業」が以前実施され、その名のとおり、見守り電球の普及を試みました。見守り電球にこだわらずとも、区内の高齢者施設において安否確認に用いられているセンサーなど、似たような機能を持つIoT機器でも構いませんが、この事業の着眼点そのものは非常に良く、今後も推し進めるべきだと考えます。しかし、残念ながら本事業に対する申し込みが無かったと伺っております。申し込みされなかった理由の分析結果や、その反省点を踏まえた上で今後も同じような事業が行われるのかを伺います。

⇒補助対象の狭さが課題だと考えられる。改善して、今後も行う。

次に防犯カメラについて、伺います。防犯カメラの設置は、犯罪発生の抑止および犯罪発生時の証拠になるなど、様々なメリットがございます。これからも、防犯カメラをうまく利活用して、安心安全なまちづくりを実現していければと思っております。しかし、防犯カメラはただ設置すれば良いというものでもありません。特にインターネット回線を利用したネットーワークカメラとも呼ばれるカメラなどは、パスワードの適切な変更やファームウェアアップデートなどの維持管理をしていないと、ハッキングされ、映している動画が違法サイトにて垂れ流しになっているケースが多々ございます。とあるサイトでは日本の防犯カメラの映像が600件以上も配信されています。これによって、犯罪に利用される、プライバシーが侵害される、機密情報が盗まれるなど、かえって防犯状況の悪化を招いてしまいます。「街頭防犯設備設置のための補助金制度」などで防犯カメラの普及に努めるのは良いとは思いますが、そういったハッキング対策についても併せて啓発していくべきです。現在、維持管理経費などの助成もありますが、ファームウェアアップデートについては想定しておりません。カメラの維持管理経費の助成について、ファームウェアアップデートなどのメンテナンスも含める、もしくは、アップデートの重要性についての啓発が必要だと考えますが、いかがでしょうか?

⇒一部媒体で啓発をやっている。

ここまで、カメラを筆頭にしたIoT機器に関する質問してまいりました。引き続き、デジタル技術をうまく取り入れた役所業務や区民サービスの変革、いわゆるDX化とそれらを取り巻くサイバーセキュリティについてを中心に質問をしていきたいと思います。

まずは、昨今注目を集めているマイナンバーカードの利活用です。私としては、マイナンバーカードを使用する機会を増やし、住民にとって行政サービスを簡単に受けられ、また役所職員の負担を減らしていくことをもっと推し進めていくべきだと考えます。さしあたりまして現在、北区におきましては、予算をつけて、戸籍証明書コンビニ交付サービスの開始に動いているかと思います。開始に向けての準備の進捗状況はいかがでしょうか?また、これを機に、少子化対策や未婚化対策にも関わる独身証明書など、ほか様々な書類もコンビニ発行できるようにすべきだと考えますが、いかがでしょうか?

⇒サーバ搬入完了など、11月の開始に向けて順調。独身証明書は関連機構に意見を述べる。

 続きまして、庁内のDX化について伺います。行政サービスの向上を図るのも当然大事ですが、早い段階で庁内のDX化を促進することで、業務効率が上がり、行政サービス向上のスピードを上げるための足場固めになると考えております。

DX化を推進する上では、デジタルの特性を理解している人材が不可欠です。その中には、区長会見でも言及されておりました、外部人材の力も重要でしょう。しかしながら、デジタル人材の争奪戦が激しくなってきております。優秀な外部人材を集め、定着させるには、デジタルに理解のある職場づくりも大事になってきます。デジタル人材のための採用、育成、人事評価、資格取得の奨励など人事戦略あるいは職場環境づくりについてどのようにしていくのか、お考えを伺いたいです。

⇒(区長回答)令和5年経験者採用にむけて動く。GovTech東京の活用も検討。人事評価は特別なことはしない。資格試験の情報発信。東京デジタルアカデミー、ワークショップなど様々な勉強会に参加させ、庁内に勉強会内容を広げる。

DX化を進めていく上で、ネットワーク上でのコミュニケーションはますます重要になっていきます。コミュニケーションツールといえば、特に電子メールが挙げられますが、近年、民間企業では、誤送信対策のリスクを考慮し、社内コミュニケーションでは電子メールそのものの使用を減らし、チャットツールの導入が進んでいます。北区役所の中でも、庁内掲示板の利用やメール送信の際は複数人での確認作業を行っているとのことですが、円滑でスピーディーな庁内コミュニケーションの一助として、グループウェアもしくはチャットツールを導入するというのも一つのやり方かと思いますが、いかがでしょうか?

⇒積極的に検討していく。

 DX化を進めていく上で、同時に考えていきたいのはサイバーセキュリティです。昨今、ロシアとウクライナの戦争が泥沼化し、北朝鮮のミサイル発射が頻発するなど国際情勢は極めて不安定です。そうした目に見える驚異の裏では、海外から日本へのサイバー攻撃が激化しております。日本において、個人ユーザー、企業、インフラ施設、大規模イベントの主催、そして役所は標的になります。実際に、この2年間の間にメール中継サーバーが不正アクセスを受け、官公庁のドメインより不正メールを大量送信してしまったという事例が複数ございます。こうした状況からも北区役所内のサイバーセキュリティ対策も当然、必要不可欠です。

独立行政法人情報処理推進機構(通称IPA)によりますと、ここ数年においては、サイバー攻撃の手口は似通っており、特にランサムウェアと呼ばれる、感染したパソコンに特定の制限をかけ、その制限の解除と引き換えに金銭を要求する挙動をする悪質なマルウェアの被害が後を絶ちません。またEmotet(エモテット)と呼ばれる、不正なメールに添付されるファイルより感染するマルウェアも日々進化しています。昨年からはファイルを暗号化することで、メールセキュリティのスキャンをすり抜けて、着信しまう亜種も登場しております。さらに巧妙なメール文章や送信元情報に騙されて、受信者が開封し、Emotetに感染してしまう事例も多数発生しております。メールセキュリティだけでなく、エンドポイントセキュリティの設置、さらに標的型攻撃メール訓練などの対策が有効です。

また、先ほどの防犯カメラに関する質問でも言及しましたが、IoT機器やインストールしたソフトウェアの脆弱性を突いた攻撃もあります。脆弱性情報は日々更新されるものであり、それらの情報を定期的に把握し、随時、ソフトウェアのアップデートをしていくなどの対策が求められます。

この他にも、各所から大量に通信を送り込まれるいわゆるDDoS攻撃によって、官公庁のWEBサイトが閲覧しづらくなったという事例もあります。これについては、Webアプリケーションファイアウォールの設置が有効でしょう。

そうした様々な脅威が存在することを踏まえ、区民の安心安全のためにも、北区役所内におけるセキュリティ対策強化の現状や今後の展望について、機密情報に触れない範囲でご教示ください。

⇒マイナンバー系、LGWAN系、インターネット系の三層に分け、セグメント境界でファイアウォールを設置。重層的な防御措置をとっている。

また、このようなセキュリティの脅威情報は、庁内職員の中で当然共有が必要なものです。また庁内だけで共有するものではなく、防犯対策として区民にも広く伝えるべき事柄かと思います。既存の紙媒体に追記、あるいはDX推進の講習に織り交ぜるなどして、広げていくのはいかがでしょうか?「還付金詐欺」といった犯罪に対する啓発も日ごろ積極的に行われているため、防犯対策の啓発はあまり突飛な話ではないかと思います。ご回答願います。

⇒消費者センターや自治会の講座などで啓発していく。

続いて、水害対策について伺います。

6月に相次いで発生した台風や雨への対応、大変お疲れさまでした。

区民からは、改善の指摘や感謝の言葉など、様々な声が寄せられています。改善点について、私が見聞きした範囲で、住民の意見を述べさせて頂くと次のとおりです。「避難所へ行ったが、張り紙などの案内が見つからず、入り口がどこか、どうやったら入れるのか分かりづらかった」、「真夜中の暗い時間に、雨が酷く外に出られない状態で、避難所開設の告知をしても、高齢者は避難しづらいのではないか」、「岩淵水門のライブカメラをスマートフォンで見ようとしたとき、チャットボットが邪魔で操作性が悪い」といった内容です。一方で、深夜に避難所での受け入れや倒木の対応には感謝の言葉がありました。まずは、6月に相次いで発生した台風や雨への対応について、総括を頂ければと思います。

⇒改善すべき課題あり。警戒レベルに関わらず明るい時間に避難告知も検討していく。また、岩淵水門のライブカメラについては担当団体に伝える。

それでは、6月の台風や雨に限らず、水害対策一般の質問をさせていただければと思います。

現在、区内浸水域に住んでいる人口は約20万人と言われております。一方で、避難施設での受け入れ可能人数は約5万人と大幅なギャップがあります。この5万人という数字は、小中学校の敷地面積を元に便宜的に見積もった値であり、状況によって前後すると考えられます。区の推奨する避難行動は「区外への早期避難」とされており、一部の方は区外へ避難することが前提となっていますが、緊急の場合は、残りの15万人全員が急に区外へ退避することは難しいでしょう。

いずれにせよ、15万人のギャップの解消に向けて少しでも努力が必要かと考えますが、そもそも区内避難施設での受け入れ可能人数は本当に約5万人なのか、また、このギャップ問題に対し区はどのように解決を図るか、お伺いいたします。

⇒約5万2千人と見積もっている。私立学校との提携、垂直避難などを検討。

水害発生時、特に荒川の水害におきましては、堀船や豊島にお住まいの移動困難者にとって、高台への遠距離避難は大変困難であると思われます。堀船在住のご高齢の方が、特に心配しておりました。移動を最小限にするという観点でいえば、近隣の高く堅牢な民間施設を開放してもらうのが望ましいですが、そこで2週間過ごすことを想定すると環境としては厳しいかもしれません。そういった意味では、バスや東京さくらトラム、民間のタクシーなど様々な交通機関を駆使して、早期避難が最適解になるのではないかと思います。特に高台から遠い堀船や豊島にお住まいの移動困難者や高齢者に対して、行政として、どのような避難支援ができるか伺います。

⇒移動事業者との提携を考えている。

最後に区長が所信表明などでも言及されていた防災DXについて、伺います。防災DXについては、2つの考え方があると思います。住民に対するコミュニケーションとしてのITツールの利活用、また庁内での情報共有や作業のオートメーション化です。住民とのコミュニケーションとしてのITツールの活用としては、区のWEBサイトやTwitter・LINEなどのSNSで、情報の一括配信ができると良いでしょう。バラバラに情報配信されるよりも、一括配信の方が望ましいです。また庁内に関するDX化につきましては、例えば現在、現場の状況の伝達には、電話を用いて、無理やり言語化して伝える形になっています。例えば、巨大タッチパネルの地図上に、ドローンで撮影した現場の映像を表示させると、現場の緊迫した状況も一目瞭然になるでしょう。さらに基盤的防災情報流通ネットワーク(SIP4D)などと連携しデータを取得できるようにすれば、状況が整理しやすくなり、重要な判断の助けになると思われます。いずれも、重要なことだと考えます。それでは、お伺いいたします。区長お考えの防災DXとは、いつまでにどのようなことを実現することを想定しておりますでしょうか?

⇒新たなシステムの導入で、住民向け情報を防災ポータルサイト、アプリ、SNSなどで配信。
庁内で無線やメールなどでやり取りしていた情報を取りまとめるシステムを導入する。

政治家というのは、住民の命と財産を守るのが、最重要の仕事です。防災対策しかり、区のITインフラしかり、少子化対策で未来の命を守ることしかりです。議会一丸となって、それらの務めを果たすべく、頑張ってまいりましょう。それでは、私の個人質問を終わらせて頂きたいと思います。

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