お行儀が良すぎると言われた・決算特別委員会 R5年3定1,2日目

決算特別委員会が現在開催中です。1日目は総括質疑、広い範囲でのやり取りがなされ、一問目の質問には区長が回答するのが北区議会の習わしです。1日目夕方は、フリートーキング形式で議会費に関する質疑。2日目は総務費、公債費、諸支出金、予備費に関する質疑がされます。

そもそも決算特別委員会とは前年度の区の歳出歳入や事業が問題ないかを精査する場となっております。ただ、これまでの議事録を見ると、前年度の歳出入や事業の評価というよりも、要望合戦になっているのが否めません。要望は一般質問で行った方が良いと考えます。

ここは、原理原則に基づいて、前年度の精査を中心とし、それ以外では、前年度から続いている事業の改善要望や展望伺いに留める形としております。(会派内では改善要望も決算としては不適格ではないかと議論はありましたが)

なお、他会派からは「安達さんがお行儀良すぎるから、こっちとしてはやりづらい」とコメントを頂きました。私は「正義」「正しい」という言葉は苦手なのですが、自分の良識に従って、正しくあろうと思います。そして、お行儀よく質問していますが、区として答弁に悩んだことも多かったようです。

以下、質疑の内容を原稿ベースで掲載しております。

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<<1日目 総括質疑>>


日本維新の会北区議員団の総括質疑を始めます。

昨年度、新型コロナウイルスの影響は極めて大きく、多くの自治体事業に深刻な影響を与えました。北区も例外ではありません。感染症対策や医療体制の強化は急務となり、その他の事業についても多かれ少なかれ影響が出ています。このような厳しい状況であるからこそ、事業の見直しと優先度付けが重要となるのは言うまでもありません。

しかし、その中で気になる点があります。それは、コロナの影響の有無にも関わらず、成績が振るわない、または有用性が疑われる事業が存在するのではないかということです。また、一般的な周知度やメディア露出だけで判断される事業の価値も問題です。たとえば、区民からの認知度が高いが、実際の成果が伴っていない、またはコロナ禍での新たなニーズに応えられていない事業も、今一度、その有用性を検証する必要があるのではないでしょうか。このような状況を踏まえ、行財政改革に熱心な区長としては、今が事業の見直しを行う絶好の機会とも言えます。歳出削減がしづらくなってきていると先ほどから、答弁で仰られておりますが、それでも資源が限られる中で、最も効果的な事業に集中することが求められます。

そこで、区長として、コロナの有無に関わらず有用性の疑われる事業についての見直しにどのように取り組むつもりなのか、そしてその見直しにおいて何を基準に考えているのか、区長の見解を伺います。

→事務事業評価を基準に、実績、エビデンス、事業が形骸化などしていないかを基に無駄を排除する。区ではデジタル化を推進し、見直しをしてきた。新たな手法も検討。

区長のお答えに感謝します。事業の見直しに関する明確な基準を持って改革に取り組んでいただきたいと思います。これからの具体的な取り組みとその進展状況について、継続して情報提供いただくことを要望いたします。

理事への質問に移ります。

第2回定例会で総括いただきましたが、令和3年度の「住宅確保要配慮者の補償サービス付き・見守り電球初回登録料助成事業」について、申込数の不足が見られました。この不足の原因のひとつとして、コロナ渦であったとはいえ、周知不足も挙げられました。

事業の成績不振は、令和4年度にも特に予防医療や住宅支援などの事業で発生しております。このように一見、社会的に有用そうに思えるような事業でも、想定申込数に遠く及ばない事態が複数発生しています。

これは、広報活動の不足が一因である可能性が考えられます。事業の成功には、その事業の価値をしっかりと区民に伝える広報活動が不可欠です。予算計画時には、その事業自体だけでなく、周知活動にも十分な資源が割り当てられている必要があります。それが十分に行われていない場合、貴重な予算が無駄になるだけでなく、区民にとって有用なサービスが提供されない事態を招くことになります。

これら想定申込数に遠く及ばなかった事業について広報力の不足が考えられますが、「知られていないから使われなかった事業」に対して、各事業予算は広報活動も含めた上で適正だったといえるのでしょうか、伺います。また、今後の各所管の広報力アップ施策について伺います。

→広報関連予算は必要不可欠、財源配分はしている。ただし、形骸化している周知があることも事実。ターゲットを見定めていく必要がある。今年度、公報力アップとして、専門家を呼び、研修を行った。動画機材も各部に貸し出しをするようになった。

広報力アップについて真剣にお考え頂いているとのことで何よりです。

さらに資料要求をさせていただきましたところ、広報番組「住めば、北区東京。」に関して、測定が行われていないため視聴率を把握していないということでした。広報活動が重要であることは認識している一方で、その効果測定が行われていないのは大変問題だと考えます。事業の効果を測ることなく、貴重な予算を投じているのは費用対効果が不明瞭であり、その責任は重大です。視聴率は広報活動の一例に過ぎませんが、その他の広報事業においても、同様に効果測定がされているのか、予算配分が適切か、といった点は極めて重要です。広報活動の成功や失敗によっては、区民の生活や安全、福祉に直結する事も考えられます。

この事業に関わらず、そもそも広報全般について、費用対効果等を計測しながら行われているかを伺います。

→それぞれの対象にあわせているが、事業によっては費用対効果は困難なこともある。

民間ではあたりまえである広報活動における効果測定について、今後計画していただきたいと思います。その進展に注目しています。

次に、DX(デジタルトランスフォーメーション)について質問させていただきます。これまでの前体制でもRPA(ロボットプロセスオートメーション)の導入やCIO補佐官の採用が行われ、一定の成果が出ていると令和3年度の決算特別委員会で報告がありました。これは評価に値しますが、令和4年度においてはノウハウも蓄積されてきたはずです。DXが行財政改革の一環として不可欠であるという認識は共有していますが、我々はDXの戦略的な推進と効果測定がどう行われているか、総合的に把握することが重要だと考えています。そこで、ノウハウがたまってきた令和4年度において、DXによってどのぐらい全体業務は効率化できたと考えるか、伺います。また、そもそも令和4年度にDXによって達成されるべき具体的な業務効率化の指標はあったのか、伺います。

→AIチャットボットで一定程度の業務削減し、4~10業務の効率化に成功。指標はまだ。

業務効率化の目指す方向については我々と一致しております。しかしながら指標について数値を用いた詳細な説明はいただけませんでした。

山田新体制における行政DXの方針については深く踏み込んでいただきたく、さらに質問させていただきます。新体制が発足して以降、業務の実態調査を進めているとの報告がありました。これは高く評価しますが、より戦略的な視点から考えると、今後4年間で達成すべき行財政改革と行政DXにおける具体的な目標を立てることが重要です。特に歳出削減の観点からは、具体的にどの程度の削減を目指しているのか、その削減がどのような形で行財政に貢献するのかを計画を立てて実行する必要があります。また、それによってどのようなサービス改善や業務効率化が期待できるのか、その目標と進捗状況も公開されるべきです。

山田新体制ではDX化をさらに加速するために、業務の実態調査に乗り出していることかと思われますが、今後4年で達成する予定の行政DXにおける行財政改革の目標・歳出削減の目標を具体的に伺います。

→検討体制をGovTech東京、アドバイザ、CIO補佐官などと整える。

今後山田新体制の下では、具体的な目標設定とその達成手段についての説明ができるようになっていただきたいと思います。

さらに一点、DXに関わる質問です。DX化による効率化が進むと、職員の働き方や業務内容も大きく変わる可能性が高いと考えます。その変化が職員のモチベーションや業務スキル育成にどう影響するかは、人事戦略全体で考慮すべき大事な問題と考えます。DXで様々な業務を効率化させた後、捻出できた時間や人員はどのような業務に充てていきたいと考えているのでしょうか、人事戦略全体の側面から伺います。また、時間を捻出できた後の将来像を、特にDXで業務変更の影響を受ける現場の職員とビジョン共有できているかも伺います。

→人員数の適正化。人員の不足していく部署への補填を検討。

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<<1日目 議会費>>
あくまでも議会費ということでの発言させて頂きます。これから申し上げることについては、どちらかといえば、議会改革検討会における検討事案ということで、質問答弁というよりも、この場では一言だけ発言させてください。
公共交通の利用有無に関わらず支給される費用弁償2000円は、妥当でしょうか? JR駅数が多い区なので公共交通機関も使いやすいです。そもそも報酬二重取りという議論もあります。

以上、本件が議会改革検討会で議論がなされることを期待して、この場での発言を終わります。

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<<2日目 総務費、公債費、諸支出金、予備費>>

本日は総務費を中心に質問させて頂きます。最初は特にIT周りについて、お伺いしていきます。

コロナ禍も相まって、Web会議システムが導入されました。しかし、資料請求をして利用数を確認してみたところ、コロナが収まってきた為か、利用数は減少傾向にあるようです。庁内コミュニケーションに関してZoomやGoooleMeetといった年間アカウント・数万円の民間システムを利用せず、わざわざ642万円と安くない費用を費やしてシステム構築したのであれば、もっと有効活用しても良いと思っております。例えば、現在は本庁舎、滝野川分庁舎、北とぴあなど庁舎が分かれており、さらに数か月後には稲田小がこれに加わるのを考えると、移動時間のコストを考えるべきでしょう。フェイスtoフェイスのコミュニケーションも大事ではありますが、こういった移動時間削減などに利用するなど、Web会議システムをうまく活用できないものでしょうか?また、導入されたWeb会議システムを活用させるため、令和4年度にどのような取組みを実施したか?伺います。

→情報セキュリティを考えた結果、システムを導入した。
マニュアルを作成し周知した。システムの一定の効果は見込めるので、今後、活用していきたい。

システムの一定の効果は見込めるので、今後、活用していきたい。

もったいないの精神の観点だけに留まらず、Web会議システム導入はテレワークなどの働き方改革も含めた施策ともいえるわけですので、うまく活用して頂ければと思います。次の質問に移ります。研修についてです。

情報セキュリティ研修および基礎的な情報セキュリティ研修の受講者数は612名とのことでした。2000名を超える職員がいる中、対象が新規採用者や転入者などに限定されています。受講対象者が限定されているのは何故でしょうか?理由をお伺いします。また、情報セキュリティの重要性が増すなか、受講対象者を限定した執行部の姿勢に懸念があるのですが、区の見解を御教授ください。

→研修のみだけでなく、監査などの業務で対応。マイナンバー関連の職員700名には別途研修をしている。

民間企業では、セキュリティ教育は毎年全員受講が必須であり、eラーニングなどを駆使しているところもあります。毎年学びなおすことで、知識の定着度合も上がります。全員毎年受講を要望致します。

次にホームページについて、特に昨日も複数の議員からも言及のあったAIチャットボットについてです。本チャットについて、住民から「本当にAI?、検索候補に欲しい情報が出てこない」、また私自身も「スマートフォンで使用すると、6つの選択肢が現れ、望んだ候補が見当たらない場合、何度も次の候補ボタンをタップするのは、使いづらい」と思っております。本チャットに関するアンケートを開示してみたところ、月ごとの利用満足度の状況において、「回答は得られましたか?」の問いに、「はい」が1.8~6.3%を推移、「いいえ」が8.6~12.3%を推移と、毎月「いいえ」が「はい」を上回っております。本事業について、CIO補佐官からは何らかの助言はあったでしょうか?AIチャットボットの現状に対する認識と、言える範囲での今後の対応を伺います。

→CIOの助言を受けて選定。多数の自治体での実績のあるシステムを採用しており、北区のチャットボットが極端に悪いわけではない。文章だけでなく、単語でも検索精度を上げる。

単なる検索システムにならないようにしてほしいと思います。
つづいて、危機管理関連についての質問に移ります。客引き行為等防止パトロールについて、夜の赤羽駅前の印象が、パトロール開始前とあまり変わっていないという声を聴いております。行政指導数は毎月コンスタントに100~300件程あるようですが、罰則数は0が続いている現状です。令和4年度において、本事業を総括する議論がなされたでしょうか?なされた場合、どのような見解となりましたでしょうか?

→パトロールがいなくなると客引きが始まるのは認識している。自治会や警察などと街ぐるみで対応していきたい。


私としては、定量的データがあるわけではありませんが、コロナ前より客引きが減ったとは、肌感覚では感じないです。赤羽界隈の住民と話すと、無駄ではないかという意見、塾帰りの子どもの帰宅時間に合わせて夜10時ぐらいまでやってほしい、もっと徹底的にやって欲しいなど意見は様々です。パトロール開始からほぼ1年たちましたが、いたずらに現状を維持するのではなく、パトロールの回数を増やしたり、時間を変更したりするなど、具体的に何らかの見直しが必要ではないでしょうか?

→今月から自治会、警察などとパトロールを開始した。その結果を見つつ、回数や時間変更の見直しを検討する。

危機管理の中でも防災についてお伺いします。今年、昨年とオンライン防災イベントがありましたが、アンケート結果を確認すると好評のようです。私も、昨年のイベントに参加致しましたが、内容も濃くて分かりやすかったため、良いイベントだったと思います。そして、定員とご案内していた150世帯に対し、実際は159世帯が参加する回もあったとのこと。

多少ならば人数に融通を効かせられるようですし、定員枠を拡大してご案内しても良かったのではないか?見解をお伺いします。

→他自治体との兼ね合いで定員枠数を判断。業者契約として150世帯としている。
キャンセルを見込んで多めに受け入れたが、キャンセルが予測よりなかった。定員枠増は今後検討。

また、防災に関する啓発関連ですと「洪水ハザードマップ動画」は、特に基礎知識編は令和4年度だけで1581回と北区Youtubeちゃんねるの中でも再生数が多い方です。また、こちらも拝見させて頂きましたが、内容としても有用なコンテンツであると考えます。せっかく作り、中身も良いのであるならば、様々なイベント等でもっと活用していくべきと考えますが、いかがでしょうか?具体的に視聴してもらうためにどのような工夫をしたかを伺います。

→来月区民まつりで周知、プッシュ型で周知していく

Youtube絡みでもう一問お尋ねします。総務省「令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によるとYoutubeは一般的に若年層に親和性があるとのことです。しかし、Youtube「東京都北区公式チャンネル」の視聴者の傾向について、45歳以上の方たちで8割という状況となっています。若者と相性が良いメディアで若者を取り込めていない状況ともいえますが、そもそも、ターゲット層などを考慮してコンテンツを作成し、広げているかのか、お伺いします。

→広報力向上の研修をした。特定のターゲットだけに絞るべきものと、広く周知するべきものを考えていく。

区の広報というのは、特定のターゲットだけに絞るべきものと、広く周知するべきものがあります。情報の内容より、誰に伝えるべきかをよく考えてコンテンツを作っていくべきかと考えます。

単に作りっぱなし、やりっぱなしの状況を確認するだけでなく、きちんと効果的に活用されているかまで確認するのも、決算において大事だと思い質問させて頂きました。本日もありがとうございました。

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※本文はあくまでも原稿。また答弁は、やり取りの最中にメモ書きしたものを修正したものであり、大まかな方向性は一致しているものの、実際の発言と異なる場合があります。正確な発言は後に公開される区議会の議事録よりご確認ください。

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