日中の関係悪化に付随して想うこと

私は北区議会内の議連に複数入っており、そのうちのひとつは「日中友好北区議員連盟」です。2011年12月~2013年8月までの間、日本企業の中国支社(北京)で働いていた縁も加味した結果、入会したといった形になります。

だからといって、議連を除いて中国と今現在何か関係があるかといえば、数人友人がいるか、足つぼマッサージ屋のにいちゃん達と施術中に時々話すぐらいで、大金が動くとか政治的影響力があるとかのツテは特にないですね。また議連も議連で、交流みたいな感じなので、政治的にインパクトが強いかといえば案外そうでもなかったりします。居住していた経験もあり、現地の人たちに散々お世話になったので、中国に行ったことのない日本人に比べて、中国に親しみの感情があるのは事実でしょう。

瀋陽反日デモ中に襲撃される瀋陽日本国総領事館(2012年) クリエイティブコモンズより引用

一方で、2012年という時期なのですが、「尖閣諸島(魚釣島)は中国のものだ」と反日デモが非常に盛んな時期でもありました。各地で打ちこわしも報道されておりました。私は、当時、北京市内の日本大使館付近を行動圏内にしておりましたが、群衆で大変な状況でした。危機感を抱いた人たちは、特に日本食料理店は「魚釣島是中国」と書かれた横断幕を店頭に掲げ、打ちこわし回避を試みました。また、現地の日本人コミュニティ内では「お前はなに人か?と聞かれたら、韓国人と答えるように」とか「9月中旬は満州事変にも繋がる柳条湖事件があった日でデモが活発化するため、家から出ないように」と警告をされていました。まあ、私は体格が良かったので大丈夫だろうと、普通に自分は日本人だと言ってましたが。いずれにせよ、そういった混乱で、私の担当していた事業もまともな営業活動をできなくなりました。最終的に事業が潰れてしまったのには怒り心頭でございます。この経験より、中国に強いネガティブ感情を持っているのも事実です。

北京の日本大使館前のラッキーストリート(2019年)

そういった経緯より、「中国は好きか?」と仮に問われた場合、愛憎入り混じって、本音ベースでは「何とも言えない」というのが答えになります。無理に好きか嫌いかはっきりしろと言われたら、政治家には一貫性が求められていることが多いとはいえ、そのときのテンションで変わるぐらい微妙です。また、国政マターにはなりますが、平和について問われたならば、「自衛力を強化しつつ、平和を模索する」のが筋だとは思っています。あんなトラウマレベルの地獄を目の当たりにして、「武器を持たず、丸腰で平和外交を」などとは口が裂けても言えませんし、逆に現地の人達の泣いたり笑ったりしている顔を見ている自分としては、「仮想敵国は徹底的に潰すべし」といった極端な国粋主義にも同調しがたいです。結果的に、良いかはともかく、悪くはないバランス感覚だとは思っていますが。

それと同時に旧民主党政権に対しても、国のかじ取りを失敗して、現地の邦人をここまで危機に追いやったというその一点について、今でも強く腹が立っています。もちろん「尖閣諸島は日本の領土」であり、正しく主張することは大事です。その意識を前提するのは当然としても、やり方はもっとあったのではないかと。私は、自民でも共産でも、立憲の地方議員でも、他党のことは他党のこととして、よほどのことが無い限り、イデオロギーどうこうで必要以上には言う気はあまりないですが、「旧民主党政権の中枢」に対してだけは、あのかじ取り能力の無さを絶対に許せんと未だに思っている次第です。そして、昨今、処理水対応から日中関係が悪化しています。私としては処理水放出は仕方ないと思いますが、現地邦人の命と財産をどう守るのか新内閣の動きを見ている次第です。

現地にお住まいの皆様におかれましては、くれぐれも、ご安全にお過ごしください。

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