大地震の発生時、北区で起きる3つの問題

東日本大震災から数年経ち、日本全国でも地震に対するあり方は徐々に整備しつつあります。もちろん、北区におきましても様々な対策が取られている訳ですが、私が懸念している北区の3点の問題についてまとめてみました。

【1】環七による大分断
意外に知られていないかもしれませんが、大地震が起こったとき、緊急車両の通行を確保するため、都内では警察による通行止めが発生します。この通行止めに関して、北区で大きく影響を受けるのは、環七通りです。主に神谷や十条仲原を南北に分断しているこの環七通り。非常時は、内側から外側に出ることは可能ですが、逆の外側から内側に入ることができなくなります。つまり、王子駅や十条駅方面から徒歩で赤羽駅へは行けますが、その逆はかないません。なお、自動車の使用は環七通りの有無に関わらず、制限されるでしょう。
この実態について、住民に周知させ、避難経路を提示することが大切です。なお、本件について、赤羽消防署、王子消防署・滝野川消防署と防災機能が複数拠点に分かれているのは良いことです。

【2】火災に弱いまち
東京都都市整備局によりますと、主に志茂ほぼ全域、上中里三丁目、岸町二丁目は火災に弱いまちとされています。志茂は特に木造家屋が密集しているところが多いです。そのため、少しでも火災リスクを軽減するために、空き家はきちんと管理もしくは解体することが大切です。
また、志茂について併せて問題なのは、大震災時の避難場所が「荒川河川敷一帯」であるということです。あくまでも火災を想定しているのであればベターな場所ですが、311では津波による被害が甚大でした。河川敷に逃げるというのが真に正しいのかどうかは、議論が必要かと思います。

【3】水害避難民の受け入れ問題
津波により、北区の東側が浸水した場合、住民の避難場所を考えなければなりません。北区の住民であれば、おそらく北区内の西側の高所への避難を希望するでしょう。つまるところ、西側としては、非常に東側の住民を受け入れる態勢を整える必要があります。具体的には学校の体育館などが受け入れ先になるでしょうが、区と私立学校の提携はそこまで進んでいません。提携を推し進めていく必要があります。

上記は、あくまでも大地震発生直後に起きうる問題です。数年間、東北に通い、震災ボランティアを続けてきましたが、時間が経るごとに自治体の抱える問題が変化するのを見てきました。最初は上記のとおり一時避難、次に仮設住宅、そして職の斡旋・・・。フェーズごとに支援体制を柔軟に変化できる役所の体制も併せて考えていきたいところです。

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