多くの人が力を発揮できる環境を・本番原稿R7年4定

「令和7年第4回東京都北区議会定例会」では、本会議にて代表質問をさせて頂きました。代表質問は20分の持ち時間を与えられる個人質問と違い、文字通り会派の代表として行う30分の持ち時間を与えられた一般質問となります。また、答弁も個人質問では1問だけ区長が答弁し、それ以外は理事者(役所職員)が答弁するのに対し、代表質問では、教育部分は教育長が、それ以外は区長自らが行うのが北区議会での流れです。ちなみに、第4回定例会というのは、来年度の予算(区長提出の当初予算の原案)に意見を押し込む最後のチャンスでもあります。そういった背景も踏まえて、是非ご覧ください。

以下、その内容です。「⇒」は区長または教育長の答弁となります。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
維新・無所属議員団の安達しんじです。今回は、会派を代表し、戦略的な人事と諸課題について、未婚化対策について、外国人住民との共生と適正な行政運営について、共働きの子育てについて、建設事業のコストについて、荒川関係について質問させていただきます。

前定例会で私はデジタルについてひたすら質問しましたが、デジタル化が進んだとしても、役所を動かすのはやはり人です。今回の質疑では、はじめに、戦略的な人事と諸課題を取り上げます。
新規事業開始直後や計画の策定直後に所管課の課長級以上の人事異動が行われるケースが散見されます。あくまでも一例ではありますが、例えば、区ホームページのリニューアルについて。先の決算特別委員会でも言及しましたとおり、前任者の努力や数字として表れた成果は評価します。しかし、もっと俯瞰で見た場合、改修が終わった後、民間ノウハウを持った新課長の登用が始まったというのはもったいないです。また、癒着防止等様々な理由があることは理解しますが、住民等外部と接することの多い課において、ここ数年課長級以上の頻繁な異動が見られます。最初の質問となりますが、事業の継続性や成果の検証、住民等外部との一定程度の関係性構築という観点から、とりわけ、重要な計画の策定や大規模事業の開始直前に新しい課長級以上の職員を配置し、中長期的な視点で事業を推進させる方が効果的ではないでしょうか。人事異動のタイミングについて、区の基本的な考え方を伺います。

⇒社会情勢の変化が著しい中、北区においても、その変化に迅速かつ的確に対応する機能的な組織を構築することが求められている。こうした状況下において、管理職の適材適所の配置により組織の活性化や効率化を図ることで、組織構造を最適化し、組織としてのパフォーマンスを向上させることは、経営戦略の一つと考えている。一方で、基礎自治体においては、地域との関係性を構築し、地域住民との信頼関係のもと、協働により事業を推進するという視点も、非常に重要と考えている。管理職については、基本的な異動のサイクルを2年から3年としている。一方、組織改正などに伴う新たな課題にスピード感をもって対応するためには、管理職の異動により事業の一層の推進を図り、区民の期待に応えていく必要があることから、結果として短期間での異動となる場合もあると考えている。また、異動に際しては、業務引継書の作成とともに、引継書に基づく十分な説明を実施するなど、業務の停滞が生じないように、引き続き徹底していく。

人事異動に関わることで、もうひとつ伺います。デジタル推進担当部等、一部の部署では高度な専門性が求められます。そのような部署においては、ゼネラリスト育成を前提とした従来型の人事配置ではなく、スペシャリストを育成・確保する複線型人事配置の導入が不可欠です。先行自治体の研究をしながら、今年8月に発行された北区人材育成基本方針に基づき、区として複線型人事配置の導入を前倒しで実施すべきと考えますが、区長の見解を伺います。

⇒複雑化・多様化する行政課題に対応していくためには「ゼネラリスト」職員だけではなく、ある特定の分野の高度な知識や経験を備え、専門性・特殊性の高い業務を担うことができる「スペシャリスト」職員の育成と戦略的な配置が必要と考えている。特にDX人材については、その確保と育成が急務であると認識しており、特別区職員採用試験におけるICT職の採用、東京都デジタルサービス局やガブテック東京への職員派遣によりデジタル人材の確保・育成に努め、デジタル推進担当部などへの配置を予定しているところ。また、「北区DX推進計画2025」では、庁内のDX推進体制の整備として、各職場におけるデジタル化の推進役となるDX推進員などのデジタル人材の育成を図る方針を掲げている。こうした取り組みにより「スぺシャリスト」職員の育成とともに、「ゼネラリスト」職員のDXに関する基礎知識の底上げをはかることで、北区のDXを強力に推進してまいります。制度としての複線型人事配置については、こうした取り組みの結果を踏まえ、検討の俎上に乗せるか、否か判断していく。

続きまして、土木職、建築職に代表される技術職員の採用についてです。常勤の技術職員は、専門技術はもちろん、将来的には予算や契約、人事管理のスキルも持ち合わせることが期待される貴重な人材です。そのような技術職員の採用ですが、毎年難航していると側聞しております。次年度の技術職採用目標人数と現時点での内定状況について、可能な範囲で伺います。また、採用難の状況をどのように分析しているのでしょうか。

⇒8年度の技術職の採用目標人数と現時点での内定状況について。8年度は、土木・建築・電気・機械の技術系職種の需要数を20人と見込んでいる。現在、特別区人事委員会からの提示を受け、区で面接などを実施しているところで、現時点での内定者数を申し上げることはできませんが、採用目標人数の確保が厳しい状況だ。こうした職員の採用環境は、生産年齢人口の減少により人材確保競争が激化し、特に技術職においてはその傾向が顕著で、民間事業者や自治体間での取り合いを招いていると捉えている。

採用に関わる施策のひとつに挙げられるのはインターンシップです。今年度の技術職インターンシップについて、申込方法を大学経由ではなく個人で申し込めるようにしたと聞いております。そして、11月12日に更新された区ホームページ上では申込期限を延長した旨が記載されています。延長ということで中々苦戦していると推察されますが、それでも申し込んで頂いた学生に、北区役所の仕事の魅力を伝える大チャンスでもあります。昨年度から今年度における申込者数の推移と、インターンシップ参加者に対する継続的なフォローアップ施策について具体的に伺います。

⇒インターンシップの受入者数は、夏休み期間を中心に事務・技術を合わせ、毎年10 名程度となっている。今年度は、例年の取組みに加え、技術職希望者を対象に、ロゴフォームを活用した募集を試行的に実施しており、申込者数は現在4名で、2月頃に受け入れる予定で調整中。また、インターンシップ参加者への継続的なフォローアップについては、特別区採用試験制度における受験生間の公平性や公正性に留意しつつ、受験生の確保という点での有効な手段として、インターンシップ参加者をはじめ、採用説明会や就職フェアの参加者へのフォローアップの手法について、すでに検討を始めたところ。

次にブランディングオフィサーについてです。政策経営部副参事いわゆるブランディングオフィサーの採用が進められており、区ホームページには、令和8年4月着任を目指し、採用スケジュールが記載されています。ただ、先月の都市ブランド推進特別委員会でも報告があったとおり、様々なシティプロモーション施策が丁度動き始めたばかりのタイミングだとも言えます。ブランディングオフィサーが採用された場合、既に稼働し始めた北区のシティプロモーション戦略との整合をどのように図るのか、採用段階での方向性の確認プロセスと、採用後の業務範囲について伺います。

⇒ブランディングオフィサーは、「北区シティブランディング戦略ビジョン」に基づくブランディング戦略の推進を主たる職務内容としている。そのため、今回策定した同ビジョンを踏まえ、具体的なコンテンツの企画・立案やメディアリレーションズの構築、ブランディング戦略における成果指標の検討・分析などの業務を主導的に担いながら職務に当たっていただくことを想定しており、これらの業務遂行能力については、書類審査・個別面接を通じて評価・確認する。

ここまでは区の常勤職員の人事に着目してきましたが、今年12月に定数322人で改選される民生委員・児童委員などにも注目してみましょう。今、民生委員・児童委員のなり手不足が全国的に問題視されています。高齢化や担い手の固定化により、地域福祉の要である民生委員制度の持続可能性が危ぶまれます。今年6月の健康福祉委員会では、我が会派の佐藤ことが定数割れについて質疑させて頂き、今年4月1日時点では35名の定数割れであることについてご説明頂きました。少し苦しい数字ではあるものの、まだ何とか定数近くの人数は確保している現状ですが、今後の更なるなり手不足が心配されます。
民生委員の活動そのものについても触れますが、見守り対象の高齢者の中には、高齢者あんしんセンターで支援を受けているケースもあり、どこまでの人を見守り対象とすべきか、稼働について精査が必要です。また、今年から敬老の日のお祝いの配布が、民生委員による手渡しではなく、役所からの送付に切り替わるといった工夫が始まるなど、今後、民生委員に依存しない仕組みづくりの構築は一層必要になるでしょう。区として、民生委員・児童委員のなり手不足の現状をどのように認識しているでしょうか。また、若い世代への働きかけ、企業との連携などの具体的な人材確保策や活動内容の整理・効率化などについて区の方針を伺います。

⇒就労を継続する高齢者の増加や、民生委員の高齢化が進むなど、全国的に民生委員の担い手確保が課題となっている。東京都では選任要綱を改正して年齢要件緩和を図っており、区においても、本年12月の民生委員一斉改選から、委員の新任・再任年齢の上限を2歳繰り上げ、それぞれ75歳未満・77歳未満までとするなどの変更を行った。しかし、定数322名に対する現員数は274名となり、欠員は4月から13名増の48名になる見込み。地域課題が多様化・複雑化するとともに地域における人と人のかかわり方も変化する中、欠員地域の業務を代行する委員をはじめ、一般の委員においても、負担感は重くなっていると認識している。こうした状況もふまえ、区では、活動内容についても、民生委員と地域とのつながりが失われないように留意しつつ、例えば高齢者に対する支援においては、民生委員は日常的な見守り、高齢者あんしんセンターは専門的支援を行うといった役割分担の明確化などを行っている。引き続き、民生委員と行政それぞれの強みを生かしつつ、多様な機関がかかわることによる支援の効果といった観点等から、業務の見直しや棚卸しに取り組んでいく。また、民生委員候補者を推薦する推薦会について、10月に改選を行ったが、あわせて、推薦の地域を区全体とする広域担当委員を1名増やし、推薦体制の見直しを図っている。若い世代への働きかけという点では、昨年度から小中学校の保護者が参加する会議体で民生委員制度の周知を行っている。現在検討を進めている民生委員活動のデジタル化と合わせ、若い世代が働きながら民生委員活動を両立するイメージを持ってもらえるよう、引き続き取り組みを進めていく。

人事関係の最後の質問として、給与明細に関する質問をします。給与明細には、税や社会保険料など様々な天引きの内容が記載されています。しかし、社会保険料は給与所得者だけでなく、事業主も折半して支払っています。社会保険料が注目される昨今、事業主が折半している額についても給与所得者に正しく認識して頂く必要はあるのではないでしょうか。大和財託株式会社などの民間企業も、こういった動きに対応しています。それでは質問です。自治体職員の給与明細に、事業主負担分の社会保険料を明記することで、社会保険料の総額を可視化し、コスト意識の醸成につなげるべきと考えますが区の見解を伺います。

⇒給与明細は、本人への給与月額や諸手当等の給与支給額と、税や社会保険料等の各種控除額を記載し、差引支給額を明らかにする趣旨で作成している。給与明細に、事業主負担分を新たに記載するためには、個人の給与控除との混同を避けるため、明細様式の大幅なレイアウト変更が必要であり、人事給与システムの改修や給与明細印刷に係るコスト増が見込まれることから、事業主負担分を給与明細に明記することは、現在、考えていない。しかしながら、事業主負担分を含めた社会保険料の総額を職員に知らせることは、コスト意識を高めるとともに、制度理解の促進にもつながるため、庁内ポータルなどで、給与制度を職員にお知らせする機会を捉え、周知していく。

未婚化対策についての質問に移ります。私は、これまで何度か未婚化対策の質問をしてきました。一昨年の一般質問では「北区では、男性の生涯未婚率が三九・五%と東京二十三区の中でもワースト一位であり、女性も二七・六%と東京二十三区の中でワースト二位であるとウェブ記事で報道」された旨を発言させて頂きましたが、区からのご答弁では「報道等において北区の生涯未婚率が高いという事実については把握している」というものでございました。それはそれとして、区としてはこれまで、生涯未婚率の具体的な数字について公表していないと認識しております。公式の数字として、北区の生涯未婚率は現在何%なのでしょうか。もし区で数字を持っていない場合、例えば、当該のウェブ記事では令和二年度の国勢調査のデータを基に試算をしていたようですが、区としても試算し公表できないのか伺います。

⇒区の生涯未婚率として民間団体が研究等を目的に国勢調査のデータ等を活用し集計・公表している。生涯未婚率については、正確性やデータの解釈に慎重さが求められており、具体的な活用方法が議論されていない現状で、区として、積極的に試算することは考えていない。

少子化対策・未婚化対策の施策として、昨年私は一般質問で、二十歳のつどいや同窓会の有効性について訴えさせて頂きました。未婚化対策の意味合いではない、とは推測しておりますが、令和8年北区二十歳のつどいについては、半年以上前から「思い出ムービー」などを一緒につくるプロジェクトを告知したり、最近では協賛事業者を募集したりするなど計画的かつ精力的に動いている様子がみられ、頭が下がります。
さて、23区内でも興味深い事例が最近ニュースにありましたので、この場で提案型の質問をさせて頂きたく思います。2025年10月23日夜、渋谷の大規模複合施設「Shibuya Sakura Stage」にて、東急不動産が手がける都市DXプロジェクト〈SHIBUYA MABLs〉による「95年生まれ、30歳」だけが集まるイベント「30歳式」が開催されました。このイベントを記事として掲載している渋谷新聞によると「東急不動産が実施した調査では、30歳男女1,000人のうち「20代で友人関係が減った」と答えた人は64.7%。SNSではつながっていても、リアルな関係が希薄になりがちな今、「30歳で新しい出会いを求める」という声が3人に1人に上りました。」とのことです。この他にも渋谷区内では、40歳のための「ダブル成人式」も開催されています。こういったイベントは、結婚を希望する若者にとって出会いに繋がるかもしれない間接的支援のひとつにもなりえますし、高い確度としていえることは、若者の地域への愛着を深め、シビックプライドの醸成につなげる取り組みだと言えます。北区においても、「三十路式」「ダブル成人式」などの開催で、民間団体との連携、または民間団体を支援する取り組みをし、シビックプライドの醸成を検討すべきと考えますが、区長の見解を伺います。

⇒他自治体の実施状況等については、従来の少子化対策の視点からも調査研究を進めていますが、本年8月からは、若手職員による政策課題研究会ロゼにおいて、「若者が活躍するまち」をテーマに、北区の活性化に繋げるための若者活躍を促進する方策について調査研究を進めております。引き続き、シビックプライドの醸成や未婚化対策なども含め、若者が北区の活性化に繋がる取組について調査研究を進めてまいります。

ここからは、外国人住民との共生と適正な行政運営についての質問に移ります。日本経済新聞の令和7年10月8日の記事によりますと、日本生まれの赤ちゃんの3%が外国人となっていて、北区は2024年の出生数全体に占める外国人出生数の比率が10.2%であり、外国人出生者が多い主な自治体として掲載されていました。ある意味では「外国人に選ばれる北区」と言える状況なのかもしれません。首都圏の中でも比較的北区の外国人増加が著しい状況や原因について、区はどのように分析しているか伺います。

⇒区の外国人人口は増加傾向にあり、11月1日現在の人口は3万5千140人、総人口に占める割合は9.6%となった。外国人区民の年齢構成は、20代と30代の方が6割を占めることから、出生数全体に占める外国人出生数の比率も高くなっていると考える。こうした状況について、これまで詳細な分析は行っていないが、北区外国人意識・意向調査では、北区の良いところとして、「生活の便利さ」や「街の安全」と回答する方が多いことや、区内の一部の地域には、外国籍等区民によるコミュニティが形成されていることなどが、影響していると思われる。

外国人が増え続けるということでは「外国人学校児童・生徒等保護者負担軽減補助金」に割く予算が増える可能性があるのではないかと予測されます。今年の予算特別委員会でもこの補助金の要件や意義について質問し、そのご答弁内容を少し短くまとめると「補助の対象は、外国人学校に児童・生徒を通わせており、かつ対象年度の四月一日以降に北区の住民基本台帳に登載されている保護者。対象となる学校が東京朝鮮中高級学校、東京韓国学校、東京国際フランス学園。所得制限なしに月七千円を上限に補助をしている。金額、もしくは所得制限等々の議論はあるかもしれないが、一定程度の保護者の負担の軽減には寄与していると認識している」とのことでした。確かに要件など制度の詳細はご答弁頂きましたが、改めて振り返ると、公平性という観点での説明が不足していたように思います。外国人排斥という意図はありませんし、多文化共生は推進すべきとは考えますが、あくまでもこの補助金を利用できない子どもの保護者との公平性という観点から、この補助金を廃止または何らかの見直す余地があるのではないでしょうか。廃止や見直しが難しいのであるならば、公平性という観点を主眼にこの補助金の意義を伺います。

⇒外国人学校児童・生徒等保護者負担軽減補助金の見直しについて。本補助金は、授業料が有償である外国人学校に児童・生徒等を通わせている、区内に住所を有する保護者の負担軽減を図ることを目的としており、使用言語や生活習慣等の違いから外国人学校に通わざるを得ない児童・生徒に対して、義務教育相応の教育を受ける権利の保障に繋がると考えている。そのため授業料が無償である公立学校へ通う児童・生徒の保護者へ本補助金と同様に補助を行う必要性はなく、また、外国人学校以外の私立学校に通う児童・生徒の保護者については、一般的に当該私立学校に通わざるを得ない特段の事情がないことから、著しく公平性を阻害するとは言えないと考えている。また、児童・生徒1 名につき月額上限額7,000 円という金額についても、その目的と照らし合わせると、著しく不公平感を抱く金額ではないと認識している。

多文化共生の推進ということでは、大阪・関西万博も、他国に対する理解促進に寄与したと考えます。そして、先日、この万博が無事終了しました。これまで議会で万博の機運醸成について訴えてきましたが、区の答弁としては「万博首長連合参加自治体として東京都や特別区長会と足並みをそろえる」こと、「国連を支える世界子ども未来会議in KITA-kuを実施し、優秀な発表をした児童は大阪万博のFUTURE SUMMIT みらい総会に北区代表として参加する」ことの2点でした。特に後者については子どもたちの国際感覚を養う良い刺激になったと推察しますが、この取り組みの成果と課題について、具体的な振り返りをお願いいたします。また、友好都市との交流を深める、東洋大の国際交流宿舎との連携を深めるなど、様々な角度から子どもに対し、今後一層、国際交流に関する施策の強化を検討してみても良いのではないか伺います。

⇒はじめに、国連を支える世界子ども未来会議について。本年8月、大阪・関西万博会場にて開催された「国連を支える世界こども未来会議 大阪・関西万博 FUTURE SUMMIT」では、参加した子どもたちが、世界各国の展示等に接するとともに、グループワークやイベントを通じて、国内や海外からの参加者とコミュニケーションをとるなど、万博ならではの空間で世界の様々な文化に出会うことのできた、有意義な取組みであったと捉えている。一方で、子どもたちの体験機会の創出という視点からは、こうした機会をより多くの子どもたちに提供していくことが課題と捉えている。次に、子どもへの国際交流に関する施策の強化について。区ではこれまで、友好都市である北京市西城区やウォルナットクリーク市との国際交流を推進するとともに、東京国際フランス学園との連携を図り、地域や区立学校などと交流してきた。また、区内には、外国籍等区民の困りごとをきっかけに、町会・自治会やNPO、大学、保育園など多様な団体がつながり、日本語の支援や生活面でのアドバイスを行うなど、多世代が参加できる区民主体の交流活動が実施されており、区では、こうした活動の周知やPRに取り組んできた。今後は、幅広い活動団体と連携を図りながら、地域における国際交流機会の創出に取り組んでいく。

外国人関係で教育現場に関わる質問を続けます。外国人児童・生徒の増加により、教育現場での対応負担が増大していると仄聞しております。東京都の示す令和6年度のデータによりますと、北区の日本語指導が必要な外国籍の児童生徒の学校種別在籍状況は、小学校児童183名、中学校生徒83名と都内の中でもその人数が上位であり、数字を見ても対応負担について懸念してしまいます。日本語指導が必要な児童・生徒への支援体制の現状と課題についてと、教員への研修や専門人材の配置、ツール導入など、教育現場の負担軽減に向けた具体的な施策を伺います。ツール導入でですと例えば、学校、自治体、保護者のための連絡ツールとしてtetoruを使用しているかと思いますが、Premiumプランに加入して多言語対応してみてはいかがでしょうか。

⇒北区では、日本語指導が必要な児童生徒への支援として、日本語学級の設置や日本語適応指導員の配置、日本語指導加配教員配置事業等を行っている。 近年、急増する外国人児童生徒に対応するため、日本語指導適応指導員の派遣を日本語学級や日本語加配教員にも拡大するなど、スピード感を持って対応しているが、新たな日本語学級の設置や民間活力の導入なども今後検討する必要があると考えている。 教員への研修として、日本語加配教員を含めた教職員を対象に年3回、専門講師を招いた研修を実施しているほか、校園長会においてパワーポイントの翻訳機能を使ったデモンストレーションを行うなど、既存ソフトの活用方法なども共有している。 今後は、本定例会でご提案する区長部局の組織改正を含めた、区全体の多文化共生施策の方向性を十分に踏まえながら、教育委員会としても連携して、外国人児童生徒の支援体制の充実や、教員の負担軽減に向けたさらなる取り組みを検討していく。 なお、保護者連絡ツールtetoruの多言語化対応については、現時点では考えていない。

ここまで外国人に関わる様々な質問をしてきましたが、外国人関連の質問の最後として、専管組織の設置について伺います。本定例会の議案として「東京都北区組織条例の一部を改正する条例」が提出されており、その中のひとつとして、令和8年度以降の地域振興部の分掌事務に「国際化に関すること」が記載されております。それに伴い、国際交流・多文化共生推進担当課長の新設も全員協議会の資料に記載されております。外国に関わる専管組織の設置とお見受けしますが、どういった役割を担っていくのか詳細な説明を求めます。例えば、違法・脱法行為の調査・通報対応もされるのか、それらよりも名前のとおり多文化共生の推進に比重を置いているのかなど、基本的な方針と課題認識を伺います。また、川崎市の外国人相談窓口のように、外国人に関わる専用相談窓口を儲けるのかも併せて伺います。

⇒来年度設置する専管組織では、日本籍区民と外国籍等区民とが、ともに安全・安心に暮らせるよう、地域生活上のトラブル解決や、相互理解促進のための交流機会の創出など、地域における多文化共生に向けた連携・交流に取り組んでいく。なお、北区多文化共生指針では、日常生活での困りごとを多言語で相談できる総合相談窓口の設置を位置付けており、多文化共生を担う専管組織の設置を踏まえ、引き続き、中間支援組織の設置を含めた推進体制のあり方について、検討していく。

続いて、「共働きの子育て世帯」が直面する時間的・思考的制約への対応について質問いたします。
東京都では、高水準にある住宅価格や物価上昇の影響を受け、子育て世帯にとって一定以上の収入を確保するために、共働きが常態化しつつあります。総務省統計局が発表する「令和4年就業構造基本調査結果」によると、東京都特別区で8時間以上子育てをしている人であっても、就業休止希望者は2%もいない状況です。この数字は、共働きがもはや選択肢のひとつではなく、多くの家庭にとって必須のライフスタイルとなっている現実を明確に示しており、今後もこの傾向が続くといえるでしょう。
この傾向が続くと、共働き夫婦には、基本的に仕事をするか、仕事でない時間は子育てに邁進するなど物理的に「時間的制約」が発生したり、仕事のときは仕事に対し頭を働かせ、仕事でないときは子育てそのものや行政支援や学校関連の情報収集に悩むという「思考的制約」が発生したりします。事実として、総務省が実施した「『令和3年社会生活基本調査』生活時間に関する結果」では、北区を含む東京圏におけるフルタイム雇用者の平日一日の平均可処分時間は、全国平均を下回っており、東京圏の生活の時間的制約は数字として表れています。こういった時間的・思考的負担は、親のゆとりを奪い、精神的な疲弊を招き、結果として子育ての質にも影響を及ぼしかねない深刻な問題です。これは、北区の未来を担う子育て世代を支え、ひいては区全体の持続可能な発展を実現する上で、避けては通れない根本的な課題と捉えるべきでしょう。北区子ども・子育て支援総合計画2024では、共働き世帯の増加について言及はあるものの、共働き世帯を明確にターゲットにした施策は、書きぶりとしてはまだまだ薄目ではあります。よって北区としては、共働き世帯の子育て支援として、この「可処分時間」の確保という視点をより積極的に取り入れ、効果的かつ戦略的な支援策を講じるべきであると考えます。
それでは質問ですが、まず、区として、共働き世帯の「時間的制約」や「思考的制約」についてどのような課題があると認識しているでしょうか。そして、子育て支援として「時間的制約」と「思考的制約」を軽減するためにどのような支援が必要であり、そのために区としてどのような方向性を打ち出していくのか、区長の御見解を伺います。

⇒区では、区民が一体となり、社会全体で子どもの育ちと子育て家庭への支援を行うべく「北区子ども・子育て支援総合計画2024」を策定した。本計画では、あらゆる世帯の保護者が、家庭の状況や就労形態等に関わらず安心して子育てできるよう、心理的、経済的、物理的負担の軽減を図ることを基本的な考え方とした上で、様々な取組を位置付けたところ。共働き世帯には、保育所や学童クラブ等の保育サービスの充実を図るとともに、在宅の子育て世帯の孤立予防を目的とした交流の場の開設、子育てによる心身の負担軽減のため、子どもショートステイ事業などを実施している。また、各種手続への電子申請導入による負担軽減と利便性向上、「きたハピモバイル」によるプッシュ型の情報提供、全児童館での「なんでも相談窓口」開設など、保護者の情報選択に係るサポートも行っている。引き続き、すべての子どもたちが自分らしく輝き健やかに成長できるよう支援を行う中で、子育て中の保護者の心と時間に余裕が生まれることに寄与する取組を進めていく。

建設工事のコストについての質問に移ります。昨今では、建設費の高騰や人材不足などが叫ばれており、入札不調なども発生しております。一方で、今年の本会議や委員会では、様々な建設費について、様々な会派の議員から意見や確認の質問が出ました。ここでは具体的に何の建設事業かは限定しませんが、あくまでも建設工事に関する一般的な考え方について、確認したく思います。区はどのようなポイントを念頭に建設工事の積算額を見積もっているのでしょうか。建設工事費の算出や比較の方法などについて、具体的に伺います。また、その算出方法に則れば、どこの特別行政区の職員が算出しても、同じ場所に同じような建物を作る場合、積算額は同じような金額になるのでしょうか。

⇒工事所管部署では、設計業務において作成した設計図書や数量内訳書に基づき、東京都財務局の積算基準に準拠して、市場における労務及び資材等の基準単価や見積もり徴収による価格比較等を踏まえた単価を採用し、実際の施工に要する必要な経費等を積み上げ、工事費を積算している。以上のことから、同じ場所に同じ建築物を作る場合においても、同様の設計図書や数量内訳書に基づき工事費の積算を行うことから、どこの特別区職員が積算しても同様な工事費となると考えている。

次に根拠のない批判についての質問をします。区議会の中で、様々な意見が出て、活発に議論すること自体は良いことだとは思いますし、不正があった場合は厳しく批判されるべきでしょう。ただ、不正が無いにも関わらず、根拠がない批判や根拠とされるものが的外れな批判が続いた場合、様々な問題が発生することも想定されます。
例えば、正当な積算額に基づき、正当に入札されたものの、その落札額が異常な額だという批判が、北区中に広がった場合、落札業者は当然萎縮するでしょうし、また他の建設業者も委縮して、今後、建設業全体から協力を得られにくくなることが想定されると、私としては考えております。また、EBPMの考えに基づき、強い主張をする場合、根拠やデータの妥当性についてはよくよく吟味しなければならないとも考えます。
それでは伺いますが、建築事業の入札額に対して、正当な入札額であるにも関わらず、何らかの不正があったと根拠なき批判が流布された場合、どのような影響が発生すると区では想定しているのでしょうか。

⇒入札額について、何らかの不正があったとの根拠なき批判が流布された場合、区政に対する信頼が損なわれるおそれがあり、適正に入札を行った事業者に対しても、不正に関与したかのような誤解が生じ、企業の信用に影響を及ぼすおそれがあるため、建設事業者からの区政への協力が得られにくくなることが想定される。また、誤情報への対応に伴う職員の業務負担の増加や、事業に対する誤解が生じることで、事業進捗への影響が生じる可能性も想定される。区ではこれまで、建設事業の入札において、適正な予定価格の積算を行うとともに、一定金額以上の予定価格を事前公表し、事業者の入札額が適正であることを確認のうえ落札者を決定しており、引き続き、公正な入札執行と、さらに分かりやすく正確な情報発信を行っていく。

ここまでは一般論の話でしたが、ここからは具体的な話をしたく思います。新庁舎整備のコストについてです。新庁舎整備について、中間報告では535億円という建設工事費が示されました。中間報告には様々なコスト削減努力が反映されているように見受けられます。
それでも、説明会等で説明を受けた区民の一部からは、依然として高騰する建設費、また建設後のランニングコストなどを心配する声が上がっているのも事実です。ZEB化の推進状況、ランニングコストの試算など、経費削減に向けた具体的な取り組みをより積極的に区民に公開すべきと考えますが、今後の情報公開の方針について伺います。また、今回の535億円という額はあくまでも中間報告としての試算であり、今後も可能な限りコスト削減について引き続き努力するよう求めますが、いかがでしょうか。

⇒新庁舎の想定事業費を含む検討内容については、基本構想・基本計画策定の際などの適切なタイミングで、説明会や北区ニュース特集号、北区公式ホームページ等で公表してきた。今回の基本設計中間報告では、建設コスト削減に向けた取り組みもあわせて、具体的にお示しした。今後も、専門家の知見をいかし、機能や品質を保ちながら、コストカットの工夫を重ね、基本設計完了時や実施設計の検討時などの機会を捉えて公表していく。

続いて、荒川関係の広域的な防災対策の質疑に移ります。
荒川の大規模水害の取組として、荒川第二調節池が令和8年の暫定運用開始を目指し、令和12年度完成予定の第三調節池と合わせて整備が進んでおります。水害リスクのある志茂に住んでいる私としても、調節池の運用開始は安心材料のひとつとして認識しております。とはいえ、実際のところ、これらの調節池が完成した場合、荒川の氾濫リスクはどの程度減少すると見込まれるのでしょうか。例えば、令和元年東日本台風、すなわち台風19号のような規模の台風が発生したとき、荒川はどのような状況になるでしょうか。また、異常気象による集中豪雨が近年頻発しておりますが、こういった気象にもどこまで耐えられるかもお示しください。

⇒国土交通省では、荒川流域を洪水から守るため、令和12年度の完成を目指し、広い高水敷を活用した荒川第二・第三調節池の整備に取組んでいる。第二調節池の一部では、令和8 年度の出水期までに段階的な効果が発現できるよう、約1,200 万㎥の洪水調節容量を確保すべく整備を行っているが、第二・第三調節池が完成すれば、荒川調節池群の容量は、現在の約2.3 倍の約9,000 万㎥となる。仮に、東日本台風時に荒川第二・第三調節池が完成していれば、旧岩淵水門での水位を更に約30cm~40cm下げていたと推定されており、荒川の治水安全度の更なる向上が図られる。なお、荒川については、荒川水系河川整備基本方針において、荒川流域全体に200 年に一度の確率で発生する規模の雨量を計画降水量として定め、整備を段階的に進めており、現状でも局地的短時間の集中豪雨が荒川に与える影響は小さいと捉えている。

荒川の大規模水害は北区だけにとっての脅威ではありません。足立区、荒川区、葛飾区など複数の自治体にも関わる脅威です。そして、複数の自治体で広域避難についての計画策定や連携について話し合う場が、今年度より始まった「東京東部低地帯大規模水害広域避難推進検討会」だと認識しております。この検討会についてですが、北区として主にどのようなことを主張したのか、もしくは、今後主張していきたいか伺います。

⇒東京東部低地帯大規模水害広域避難推進検討会における北区の主張について。この検討会は、平成30年に、前身となる検討会が設置され、その後、協議体の形を変えながら検討を重ねてきた。区は、当初より構成員として参加している。区からは、区民が安全かつ迅速に避難できることを最優先課題とし、広域避難先施設の割り当て拡充や、施設開設に関する早期の情報提供が重要であることを主張してきた。今年度は、東京都が「大規模水害時の広域避難対処要領」を策定する予定であり、今後も引き続き必要な主張を行っていく。

他区市町村の住民についてフォーカスしてみましょう。万が一荒川が氾濫した場合、例えば荒川区は垂直避難を現実的に考えているようですが、それでも他地域へ避難することも無いとは言えません。言い方を変えると、隣接地域などから避難する他区市町村の住民について、北区が受け入れ先となるケースや避難ルートの一部になるケースはあると考えられます。これらを真剣に考えることは、他区市町村の住民を守るだけでなく、他区市町村の住民の避難行動に影響を受ける北区民を守ることにも繋がるでしょう。「東京都北区地域防災計画」では、北区民が区外へ避難することについて、ある程度記載はされております。一方で「他区市町村からの避難者の受入れ」という項目の記載は、あるにはありますが、分量としては少なめです。他区市町村の住民の避難について、具体性をもってシミュレーションしているでしょうか。また、災害訓練時にどのような検証を行ったか、具体的に伺います。

⇒これまでの検討会において避難行動パターンに基づく避難者の試算が行われ、対象災害で浸水が想定されている区域に住む17区の合計人口約620 万人のうち、区外の公設避難先へ避難する人数は約74 万人と試算された。しかしながら、この約74万人が、どの自治体にどのように避難するかの試算は、現状ではできないものと聞いている。区としては、今後策定される予定の対処要領等を踏まえ、安全かつ迅速な避難手順を明確化した広域避難計画の策定をすすめていく。加えて、避難先の確保が重要であるため、東京都と連携し、さらなる広域避難場所の確保に取り組んでいく。

広域避難に関しては最後の質問です。災害時の円滑な避難のためには公共交通機関との連携は大事かと考えます。そのうち区界を跨ぐ避難では、北区内の交通インフラだけでは限界がありますので、広域自治体の交通インフラには是非ともご助力願いたいところです。災害時における都営バスとの連携を深めるべきと考えますが、連携の状況について伺います。

⇒広域避難に際しては、鉄道のほか、あらゆる陸上公共交通機関が重要な移送手段になると認識しており、区は、これらの交通機関との連携強化を検討会で提案してきた。今後も、避難手段のさらなる重層化について協議をすすめ、逃げ遅れゼロに向け全力で取り組んでいく考え。

かわまちづくりについての質問に入ります。
荒川は区民にとって脅威であると同時に、その河川敷は区内における数少ない余白地帯として、今後の利活用が期待される場所です。さて、そのような河川敷をどのように利活用していくべきか、社会実験をすることで模索しようとしているのが、かわまちラボという推進部会です。しかしながら、かわまちラボは現在、北区エリア・デザイン導入ガイドライン運用支援業務委託の予算を基に活動しており、柔軟な活動がしづらい状況だとも言えます。区として、かわまちラボへの直接的な財政支援を講じることで、柔軟な活動をしやすくするべきではないか伺います。

⇒今年度策定した「北区岩淵周辺地区かわまちづくり計画」は、国の「かわまちづくり支援制度」に登録され、区ではその実現に向けた取組を進めている。計画を着実に推進するため立ち上げた「かわまちラボ」では、今後、社会実験等を通じて、担い手の発掘・育成や計画の具体化を行うこととしている。区としては、かわまちづくり推進のため、運営体制の構築等に必要な予算措置を行っており、その中での議論を踏まえ、多様な主体と活動内容等について協議していく。

最後の質問です。自然を活かしたまちづくりに関しては、他自治体で実績のある民間企業が複数存在します。こういった知見のある会社の協力があれば、新しいアイディアが生まれるかもしれませんし、何よりも計画の具体化に効果的でしょう。北区を深く理解し、既に地元で走り回っている人たちの考えも大事にしつつ、知見のある民間企業を積極的に引っ張ってきて、かわまちづくりの推進体制を一層強化すべきではないかを伺います。

⇒知見のある民間事業者の参画については、かわまちラボにおいて必要に応じて検討がなされるものと考えている。

以上、本日は役所内の人事からかわまちづくりについてまで質問してきました。様々な人が自分の能力を気持ちよく発揮できる環境で動けるようにしていき、様々な人により良い区民サービスを提供していけるように願って、私の質問を終わらせて頂きます。ご清聴ありがとうございました。

関連記事

ページ上部へ戻る