よく分かる北区議会勢力図(R6/5/3時点)

4月末に自民党会派が分裂したという報告がなされ、北区の政治界においても驚きの声が上がりました。これによってどういう状況になったのか、私なりに整理しようと思います。なお、維新会派の区議ではありますが、今回はなるだけ中立的に書くように心がけました。

まず、令和6年5月現在の勢力の状況は上記の図のとおりです。なお、縦軸横軸をどう整理するか悩みましたが、便宜的に、昨年の区長選で誰に近かったのかで振り分けると、納得感が大きいというか、まとまりが良かったので、そのようにまとめています。そのため、必ずしも花川前区長候補が、影響を与えているとかそういう意味ではありません。また、議案に対する賛否、政策的な近さ、特にこの半年間でどのように連携があったかで、重ねるなどしています。

★各会派について、ざっくりとした解説
各会派のこの1年間の動きや主だった主張は、以下のとおりです。なお、それぞれの主張の善し悪しについては、この場ではコメントしませんので、ご了承ください。

公明党議員団(10名):謀らずとも第2会派から最大会派となりました。議会質問は、幅広い分野において、地元住民からの意見吸い上げや調査をしっかりしたのだろうなと思わせる内容が多いです。また、区議全員が乗れるような意見書を提出するなど、提言のしつらえがしっかりとしています。

自由民主党北区新時代の会(7名):自由民主党議員団から飛び出した新会派。略称、自民新。自民党区議の中でも、新区長の政策を推し進めていく姿勢を強く打ち出した人たちで結成されています。なお、自民の新人3人全員はこちらに所属しており、2期以上のベテランは4人と第2会派でありながらもベテラン人材が多くありません。期数や年数を重んじる政党ですが、複数取得するであろう重要ポストをどのように分配するか、新時代という名のように新人にも思い切って任せるのかは注目ポイントです。

日本共産党北区議員団(7名):自民新と同率2位の会派となりました。弱者支援、平和などを訴えることが多いです。また、情報開示等にも積極的です。区議会では、全会一致で議案が通ることが多いものの、特に指定管理者制度については厳しい態度をとることがあります。

自由民主党議員団(4名):自民会派が分裂した際、元の方の会派にあたります。自民党区議の中でも、ある種の公平性を大事にし、また「本来、二元代表制度下において行政側のチェックを行うことが議会の役割」と主張する人たちで構成されています。数か月以内に都議補選予定候補の戸枝氏抜けた場合、3名になり、どのような体制となるのかは注目です。

立憲クラブ(4名):男性の幹事長と女性3名から構成されており、幹事長はバランスよく、女性三名は福祉分野や女性活躍に関心の強い人が多いようです。また、必要に応じて様々な会派・無会派と連携するなどアクロバティックな動きをします。

日本維新の会北区議員団(3名):30代3名で構成されています。公民連携、DX推進、現役世代向け政策などを多めに主張し、新区長の予算には賛成討論をする一方、特別職(議員や区長)の報酬アップ議案には賛成しませんでした。全員が毎回議会質問するなどアクティブに動いています。

以下、無会派(会派を組まずに一人で活動)。必要に応じて無会派同士で連携を取ることもあります。

無所属:30代女性。子育て教育など現役世代向けの政策などの主張が多めです。現役世代の活躍推進のために選挙管理員会委員の議会内選挙においては、同世代だけで構成されている維新と共闘したことがあります。

都民ファーストの会:50代女性。都と連携した政策や行政サービスを自ら利用しての感想などを質問に盛り込みます。孤高の動きをする一方で、古い付き合いを大事にする印象があります。

新社会党:40代男性。公務員の待遇向上などを主張することが多いです。時折、共産党、状況によって無会派と足並みを揃えることがあります。

れいわ新選組:60代男性。介護などの福祉分野に特化して、想いを訴えます。時折、共産党、状況によって無会派と足並みを揃えることがあります。

国民民主党:40代男性。全体的に独特な提言をすることが多いです。時折、無会派で足並みを揃えることがあります。

★自民会派分裂をどう見るか
区民視点でいえば、これまでは会派人数が多くなればなるほど、会派の総意としてまとまった意見が主張されていたため、誰がどんな発言をしているのかが分かりづらいということはありました。会派が細分化されることで、誰の意思や発言なのかが分かりやすくなるというメリットがあります。デメリットとしては、対応する公務員の仕事が増えるということが挙げられますが、区全体でみたとき、総じてプラスが大きいでしょう。

自民党支持者の気持ちを想像してみると、どっちも仲良くしてよと思うかもしれません。既存会派の「議会人としてのあるべき姿を追求する」か、新会派の「自党が推薦した区長の政策実現に全力を傾ける」か、支持者であれば中々難しい判断が迫られますね。「数は力」の部分は確かにあり、自民の議会内ポスト(委員長など)の獲得力は11人のときに比べて、両会派とも下がると考えられます。

自民関係者以外の議会の中の人視点でいえば、議会全体として意見集約が難しくなると思われます。そして、自民党以外の会派が相対的に議会内ポストを獲得しやすくなりますし、特に最大会派となった公明党の発言力が強くなります。ゴールデンウイーク明けにはポストを決める交渉委員会があり、各会派間で様々な交渉や情報戦が繰り広げられることでしょう。

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