党所属と無所属

選挙に出馬することにおいて、決めなければいけないことは多々ありますが、割と早い段階で決めるべきことは、何処かの党に所属するか否かです。勿論、所属したいですと名乗りを上げたからと言って簡単に所属できる訳ではありませんけどもね。

大型選挙が一旦一段落し、政界再編成、離党者もポロポロ出てくる時期ですが、ここで、党所属と無所属の違いやメリットデメリットについて整理したいと思います。なお、ここで言う党とは維新に限ったことではありません。

「党所属」
党に所属するメリットとしては3点挙げましょう。
1番目に言及すべきこととして、ズバリ選挙に受かる可能性が高まるということです。党からの公認を得られているというのは、形はどうあれ何らかの審査を経ているわけで、少なくともその党を信用するならば、公認の時点で一定程度の信用と公約における一定の方向性が担保されていると言えるでしょう。ファミマに行ったら、ファミチキが売っていると期待できる、ローソンに行ったらチキン系はあるけどファミチキではないというイメージがあるように、フランチャイズのように党名には一定のブランド力があります。
市区町村など基礎自治体の地方議員選挙であれば、一般的に6割が候補者個人の努力、4割が党名で選ばれると言われています。(ただ、追い風が吹いている政党の落下傘候補の場合は、殆どが党名による得票でしょう)。一方で、都道府県など広域自治体の地方議員選挙、国政選挙の場合は、党名の重要性はもっと増します。また、党や選挙にもよりますが、党からの人的・金銭的支援もあるでしょう。広域自治体の選挙や国政を視野に入れた場合は、今回の参議院選挙の泉房穂氏レベルの知名度が本人に無い限り、党所属は生命線だとすら言えます。

2点目は、縦横の連携ですね。中規模以上の政党であれば、複数の地方議会に議員がいますので、自治体を超えての横連携が期待できます。また、大型政党であれば、国会議員、広域自治体議員、基礎自治体議員と縦連携も可能です。つまるところ、たとえ地方議会議員であっても、国政に話を通すことが不可能ではなくなるということです。自分が就任している議会だけでなく、スケールの大きなことを考えた場合は、断然党に所属した方が良いと言えます。

3点目は、仲間ができやすいということです。議会では、似たような考え方の議員が集まって、「会派」と呼ばれるグループを作ることがあります。会派人数が多いと、何かと議会における立ち回りが便利になります。通常であれば、同じ政党に属している人は、同じ会派に属することが多いです。また、議会外の議員と有志で勉強会を開くなどのネットワークも生まれます。議会の苦手分野についても、議決に必要な知識を得られる場合もあるでしょう。

デメリットとしては3点。
1点目は、党員獲得のノルマが課せられることです。大抵の政党は政治家に党員獲得のノルマを課します。党員は、いわゆる党のファンクラブみたいなものです。維新の場合は、党の情報が送られてきたり、党の代表選挙に参加することができますが、他のメジャー政党も大きくは変わらないでしょう。ただ、党費を払ってまで、党員になるメリットっていかほどか言えば、世の中大抵の人からすると、合理的に考えてあまりありません。自民党であれば、総裁=総理大臣になることが多いので、代表選挙に参加する面白みは多少あるかもですが、一般的な野党にとっては中々入党はお願いし辛いものです。とはいえ、自民党議員のノルマ人数は他党と比較しても断然多いのでそれはそれで大変です。新人の離党には様々な理由があるかと思いますが、一番残念なパターンは、この「ノルマ未達成」によるものですね。

2点目は、党務に時間や金や精神力が削られることです。党の運営って、一部雇われている職員を除くと、基本的にボランティアなのです。党の役員でも、どこからか役員報酬をもらっている訳ではありませんし、雇用関係もありません。それどころか、党の運営の為に、党費をむしろ支払ったり、莫大な時間と労力を費やしたりします。さらには、内からも外からも運営に対する厳しい意見が飛び交う訳で、ボランティアでやっている党の執行部は、見ていて可哀そうになります。一番目立つのは、自民党議員による自民党総裁(石破氏)への批判がさも当たり前のようにSNSに流れていることですね。雇用関係はないので、例えとしては微妙かもですが、普通は、自分が勤めている会社の社長の悪口をSNS上では言いふらさないものですよね。
会議であったり、選挙動員であったり、党務はまじめにやればやるほど大変だといえます。選挙応援は、自分の選挙にとって一票にもならなくても、交通費自腹を切って、汗水たらしながら仲間を応援にいくのです。そして、これらに加え、維新であれば「身を切る改革」で議員報酬一部カットを掲げている為、かなり家計が火の車になりがちです。

3点目は、議決に関する党議拘束があることです。議員とて人間ですので、様々な考え方を持っています。そして、その考え方は、100%党と同じという訳でもないでしょう。場合によっては、党の意見と会わない部分もあります。(というか100%同じならば、それはそれでヤバいです)ただ、最終的には、組織人として、党の方針に従わざるを得ないかと思います。

「無所属」
メリットデメリットというと、上記の真反対ですね。
中でも一番のメリットは、他の議員が党務に駆り出されている時間を住民の為にフルで使えるという点でしょう。ある意味、政党政治に対するアンチテーゼとして、あるべき議会人の姿かもしれません。とはいえ自分の議決について、情報が少ない中、自分一人で全部確認して賛否を決めることになるので、効率が良い訳ではなく、やはり時間がかかるとは思います。議員は基本的に孤高ではありますが、完全無所属は、孤高の中の孤高となりますので、自律が人一倍求められるでしょう。
一方で、そもそも当選するのが難しいというのが最大の関門です。元々有名人だったとか、地方選で首長候補とセット出馬したとか、一部地域に多いパターンですが無所属と名乗る実質自民系とか、無所属での当選のためには特殊な要因が必要です。
そして、何とか受かったとしても、会派に潜り込んでプレゼンスを示さなければ、公約実現というのが、一層難しくなります。

以上、党所属と無所属の違いでした。

関連記事

ページ上部へ戻る