地方連携と文化芸術施策・本番原稿R8年1定

「令和8年第1回東京都北区議会定例会」は投稿日時点ではまだ終わっていませんが、本会議にて個人質問をさせて頂きましたので、ひとまず、その報告をさせて頂きます。今回は、地域連携、そして文化芸術を基軸に広範囲において、リアルタイム性を意識した質問をさせて頂きました。この後、予算特別委員会で、様々な議論があるかと思います。

以下、その内容です。「⇒」は区長または教育長の答弁となります。
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維新・無所属議員団の安達しんじです。今回は、大きく分けて、東北や北関東などとの連携について、芸術・文化・教育について質問させていただきます。

まずは、東北や北関東などとの連携について質問します。
令和8年も立春が過ぎ、いよいよ旧暦でも午年となりました。既に2月の下旬ではありますが、改めまして、本年もよろしくお願いいたします。最初の質問は、午年にちなみ、馬に関する質問をしたく思います。青森県には、寒立馬(かんだちめ)と呼ばれる厳しい冬にも耐える馬がおります。実は、青森県東通村で飼育されている寒立馬の中には、長年、北区の馬も飼育されておりました。浮間小学校との交流として、北区に寄贈されたとのことです。しかし残念ながら、その馬は昨年9月に亡くなりました。現在はその馬の子が、東通村で飼育されているとのことです。今後の東通村との馬を通した友好関係を伺います。

⇒東通村と浮間小学校との20年を超える交流事業を通じて、浮間小学校の児童は、地元の子供たちや大人の方々との人間関係を広げるとともに、信頼関係を築いており、この体験は豊かな人間形成の礎となっている。 浮間小学校の児童が東通村に行った際には、寄贈された寒立馬に会いに行くようにしており、子供たちのシンボル的な存在となっていた。 このたび寄贈された馬が残念ながら亡くなってしまいましたが、その仔馬との交流も続いている。 本交流事業は、浮間小学校の特色ある教育活動の一つであり、貴重な体験機会の保障として、今後も馬を通した交流が継続するよう、教育委員会としても可能な限りの支援をしていく。

青森県というと昨年12月に八戸市を中心に「令和7年青森県東方沖地震」がありました。この地震に対し義援金募集の動きがあり、北区では区のホームページでも義援金受付情報を掲示したり、北区役所地域振興課及び各地域振興室で窓口を開設したりして頂き、八戸市出身者として感謝申し上げます。1月30日で義援金の受付は終了しましたが、区としてはこの義援金の意義をどのように認識しているのでしょうか。また、この地震に限らず、令和7年度には大分市の火災、台風、大雨でも義援金を募っていたと思いますが、こうした取り組みは、SNSなどでもあまり積極的な告知をしていないようにも見えました。良い取り組みだと思うので、もっと積極的に発信すべきと考えますが、いかがでしょうか。

⇒災害義援金は、被災された方々が生活を再建するために重要な支援であり、義援金の募集や提供を通じて被災者を思いやる連帯感や絆が生まれ、復興を推し進める力になるものと認識しています。 災害義援金の募集にSNSを活用することにつきましては、情報の拡散力や迅速性などのメリットがある一方、信用性の確保や誤情報の拡散などの課題にも留意する必要があります。 区といたしまして、SNSの特性を十分に考慮した有効かつ適切な活用方法を検討しつつ、引き続き日本赤十字社等と連携し、区民の皆様の善意を被災された方々へしっかりとお届けしてまいります。

 (安達・再質問):SNSの課題について、もう少しご説明願いたい。

  ⇒検討する。。。

災害と言いますと、今年2月10日に、山形放送で「酒田市で豪雨被災地の復旧・復興を学ぶ視察研修が事業化 新ツーリズム受け入れ開始」という報道がありました。この豪雨災害とは、一昨年、山形県酒田市で発生した大雨被害、いわゆる”令和6年7月山形豪雨”のことを指します。私自身も本災害の復興ボランティアに行きました。そして、北区と酒田市は「友好都市交流協定」並びに「北区と酒田市との災害時における相互援助協定」を結んでいることから、区からも合計8名の職員が現地に派遣され、支援を行いました。その結果としましては、昨年3月の防災対策特別委員会で報告されたとおり、「山形県酒田市における豪雨災害関連業務への応援職員アンケート」という形でまとめられています。そのアンケートには、「区内業者等との連携体制を整える必要がある」「過去の事例を参考にして支援メニューの事前の整理が大事だと思う」「災害時における全庁的なマニュアルや役割整理は早急に作成しなければならない」など、派遣された職員からの様々な意見・感想等が報告されました。防災対策特別委員会でも、複数出た意見ですが、やはり派遣に参加した職員の意見を活かし、形にすることが重要だと思います。このアンケート結果が公表されてそろそろ1年近く経ちます。派遣された職員の声が、区の防災にどれほど反映されましたでしょうか。また、今回の派遣を通して、友好都市との防災支援のあり方について何かしら得られた知見がありましたら、ご教示ください。

⇒区では、これまでも、被災地への職員派遣で得られた貴重な経験を、一過性のものとせず組織の知見として蓄積し、区の各種防災計画策定や民間事業者との連携など、様々な災害対策に活かしてきた。 令和6年7月の大雨で被災した酒田市への支援においても、この技術的知見を最大限に活用することができたほか、発災初期に行った物資支援活動で、災害対策本部の運営を担う危機管理室職員が、現地の対策本部が直面した混乱や課題を直接目の当たりにした経験は、区の災害対策本部体制や災害対応力を強化するための大きな知見となっている。 今後も、被災地支援の経験を組織の知見として積み上げることで、区の防災体制をさらに強固なものとし、安全・安心No.1の防災と北区強靭化対策を強力に推進していく。

さて、北区は地理的に東京の北部に位置し、東京の北の玄関口と言って差支えはないかと思います。とある区内イベント参加者は、北区が東京の北の玄関口であることを”ノースゲート・トウキョー”と呼んでおりました。格好良い響きだったので、あえてこの場でも言わせて頂きました。

そんな玄関口である北区ですが、実際に、東北をモチーフにした飲食店は赤羽でも何件か見受けられますし、大宮駅から新幹線に乗り込むことができる点を鑑みますと、東北や北関東などから来た上京者に優しい街となるポテンシャルがあるかと思います。実際に、私自身も、北区に住み始めた理由は幾つかありますが、やはり故郷の東北に一番近い東京の街である点は、自分の中では大きかったです。大宮からだと北陸新幹線や上越新幹線も出ていますので、そちら方面も考慮に入れても良いかとは思いますが、東京以北からの上京者に選ばれる街として、区はどのような工夫を推進していくかを伺います。

⇒区では、北区の魅力や価値をさらに高め、人生の大切なシーンにおいて選ばれるまちとなり、より豊かさを感じられるまちとなるよう戦略的に取り組んでいる。 地方からの上京は、北区が選ばれる重要なタイミングの一つであり、そこで選択肢に挙がるためには、北区の存在をはじめ、「交通利便性の高さ」や「自然や住環境の質の高さ」などの魅力ポイントを的確にターゲット層へ届ける必要がある。 東京の北側に位置する自治体に限らず、国内には友好都市をはじめ、区と関わりのある自治体が多くあるので、こうした自治体との都市間交流等の機会を捉え、まずは、区の存在感を高め、その多彩な魅力を戦略的に発信していくことが重要と考えている。今後も、北区が、住みたいまち、選ばれるまちとなるように、効果的なシティブランディングの取組を進めていく。

また、上京者に選ばれる北区になるためのひとつのアイディアとして、有効なのか否か、注目しているのは、午前中の答弁でも言及されました「アフォーダブル住宅」です。やはり都心部での家賃や住宅価格高騰は、上京者を委縮させます。昨年の第1回定例会で、佐藤ことが住宅価格の上昇に関する質問をしましたが、その答弁は「東京都が官民連携で新年度から取り組む、手頃な価格で住めるアフォーダブル住宅に関する施策を注視しながら、引き続き若年層や子育て世代の定住化促進に努める」とのことでした。また、「北区住宅マスタープラン2026(案)」にも「アフォーダブル住宅」の推進とありましたが、その具体的な内容をご教示ください。

⇒北区住宅マスタープラン2026(案)では、住宅の販売価格や家賃が高騰する中で、子育て・若年世帯等が安心して住むことができるよう、「手頃な価格で求めやすい住宅の普及促進」を、新たな施策として位置づけたところ。 その選択肢の一つであるアフォーダブル住宅は、東京都において取組みが進められており、ファンドを活用した約300戸の住宅供給のほか、東京都住宅供給公社と連携し6年間で1,200戸の住宅を供給する計画などが明らかになっている。 区としましては、これら取組みについて、区内における今後の事業展開を注視していく。

ハード面の他、ソフト面からも上京者の関心を寄せることを考えてみましょう。例年、区民まつりの王子会場では、地方各地からのブースが集まっています。また、昨年12月には「鹿角きりたんぽと特産品交流祭りin飛鳥山公園」というイベントが開かれ、区内の団体が独自に秋田県鹿角市との友好関係を作り、きりたんぽを販売していました。
東京の北の玄関口、ノースゲート・トウキョーとして、東京以北の様々な市区町村との連携を増やし、区民に各地を体験してもらう機会をより増やしていくべきだと考えますが、いかがでしょうか。

⇒区は、友好都市である山形県酒田市、群馬県中之条町、群馬県甘楽町との連携を始め、和歌山県和歌山市や北海道清水町など、歴史的なつながりのある自治体とも連携を図り、「ふるさと北区区民まつり」への出店や事業を通じて交流を深めている。 また、平成28年から区内の飲食店や小売店で岩手県の農林水産物や特産品を販売する「岩手・北区連携マルシェ」を開催し、岩手の食材を用いたメニューを提供するほか、飛鳥山公園や浮間公園での出店を通じて、岩手の食材を紹介し、その魅力を発信している。 東京の北側に位置する市区町村を含む他自治体との連携にあたっては、地域の活性化や広域的な課題の解決に繋がる取組みに加え、区民・関係者の相互理解を深めることなども重要な要素として、対応を考えていく。

ここからは、芸術・文化・教育についての質問に移ります。

まず、芸術に関わる質問として、一昨年の第4回定例会では、アニメやドラマのコラボについて質問させて頂きましたが、「アニメやキャラクター、ドラマ等とのコンテンツとのコラボについては、見込まれる効果等も踏まえながら、その都度、ケースごとに有効性を見極めた上で、実施の可否を判断する」という答弁でした。今クールでは、テレビ東京で「キンパとおにぎり~恋するふたりは似ていてちがう~」というドラマが放送されております。そのドラマでは、豊島、飛鳥山、赤羽など北区のあちらこちらがロケ地として使用された形跡が見られます。爆発的にヒットしているドラマという訳では無いですが、現状のレビューサイトの反応では、平均~やや良いといった形でした。視聴者の反応を見極め、リアルタイムでドラマ制作者に接触していくことも大事だと考えますが、庁内でそういったアンテナは張っているかを伺います。

⇒北区が舞台となったドラマ、「キンパとおにぎり~恋するふたりは似ていてちがう~」は、飛鳥山や豊島中央通り商店街など、区内各地の日常の風景が魅力的に描かれており、シティブランディングを進めるうえで、極めて、有効なコンテンツと捉えており、その動向を注視している。 本件については、現在、東京北区観光協会が制作者側と密に連携しており、区とも適宜情報を共有しながら、連携体制を構築しているところ。 なお、現在、観光協会が主導となり、ロケ地を活用したコラボ施策として、主人公が働くお店を再現したコラボカフェが昨日から期間限定でオープンしている。 今後も、作品の世界観と区の魅力を掛け合わせ、機を逸することなく、効果的な施策の展開を検討していく。

ちなみにですが、今年の4月から『新幹線変形ロボ シンカリオン<特別ダイヤ版>』が放送されます。シンカリオンは大宮を中心としたアニメですが、北とぴあが登場したり、登場人物が東十条の銘菓を買いに来たりするシーンがあるなど北区の描写もかなり多いです。アンテナを張っている場合、こちらにも注目して頂けるとシティプロモーションの参考になるかと思います。

続いて、結論として芸術に関わる話となりますが、デジタル庁が公表している「地域幸福度(Well-Being)指標」に基づく質問をさせて頂きます。ウェルビーイング指標とは、住民の「暮らしやすさ」と「幸福感」を数値化・可視化する一種のツールです。住民アンケートすなわち「主観」と、統計データすなわち「客観」を組み合わせて分析し、自治体が個性を活かしたまちづくりを行うための指標として活用されています。

この指標によりますと、北区は主観データ、客観データともに「移動・交通」などの分野が全国的に見て、高い偏差値となっています。北区は一部地域の交通不便の解消が待たれているとはいえ、確かに、東京の北の交通の要所であり、先ほどご紹介したような鉄道アニメにも何度も出てくることを考えると、北区が主観客観ともに交通の便が評価されるのは、議場にいらっしゃる方々も、ある程度納得はできるかと思います。

そして、本指標で気になる点としては「文化・芸術」の分野で、主観が偏差値48.8と50を下回っています。客観データでは53.1と実は決して悪くない数字であるにも関わらずです。つまるところ、実質的な設備等、「文化・芸術」の環境は決して悪くないにも関わらず、区民の体感ではその恩恵に預かっていないことを意味します。

主観も客観も両方低いのであれば、インフラを整備しなおすなど住民満足度を上げるのにはかなりの労力が必要ですが、客観は高いのに主観が低い状態は、実質的な環境は既にある程度整っているので、アピールの仕方を変えるだけで、住民満足度を高めることができるということでもあります。これらの背景を踏まえての質問となりますが、北区は「文化・芸術」に触れやすい環境であることをもっとアピールすべきと考えますが、いかがでしょうか。

⇒北区では、区民の皆さまが身近な場所で文化芸術に親しむため、様々な団体と連携し、区ゆかりの文化芸術事業を推進するほか、 北とぴあやココキタなど、文化芸術活動の拠点となる施設の機能改善や有効活用に取り組んでいる。また、北区文化振興財団では、北とぴあ国際音楽祭などのホール公演や、区内施設等での無料のまちかどコンサートの開催など、区民の皆さまが身近な場所で文化芸術に親しむ機会を提供している。このほか、若手アーティストの育成や文化芸術活動の支援なども行っている。引き続き、関係団体やアーティストと連携をし、区民が文化芸術に触れる機会の充実を図るとともに、様々な媒体を活用した効果的な情報発信に努めていく。

「文化・芸術」のアピールと言いますと、色々な手法がありますが、北区文化振興財団のインターネット上の活動も重要なものと考えます。しかし、こちらについて気になることがございます。昨年10月27日から発生したサーバー障害により、北区文化振興財団のホームページが一時期、閲覧できない状態となりました。この障害の原因、そして顛末などがどうなったかをご教示ください。また、新しいWEBサイトに移行するとは聞いていますが、脆弱性診断をするなどサイバー攻撃対策をしているのか伺います。

⇒昨年10月27日に発生した北区文化振興財団のホームページ障害は、ココキタ予約システムを除いて、11月19日に復旧した。 ココキタの予約については、新たなシステムによる施設利用が開始される本年3月までは、窓口や電話による受け付けを行い、施設は通常通りの利用を可能としている。 障害の原因について、財団からの報告では、サーバー会社がホームページへの不審なアクセスを検知し、閲覧を制限したことによるものであったとのこと。また、財団が委託する事業者によるログの解析結果において、個人情報の流出はないことが確認されている。 この事案を受け、財団のホームページのセキュリティ強化にあたり、留意すべき点について、CIO補佐官の助言を受けるなど、適切な対応を進めている。さらに、今後、財団では、新ホームページ運営システムへの移行を実施するにあたり、専門事業者によるシステム脆弱性検証を行った後、3月下旬を目途に移行作業を完了させる予定と聞いている。 区としても、財団が適切に対応できるよう情報提供や相談対応を続けながら、より安全で安定性の高いシステム運用へ向け、支援していく。

文化芸術の基点となっている施設のひとつに北とぴあが挙げられます。さくらホールでは北とぴあ国際音楽祭、上階のホールでは北とぴあ演劇祭、地下展示場では北とぴあ芸術祭を筆頭に各種芸術作品の展示会が多数開催されています。そんな北とぴあについて、改修の話もありましたが、予算の関係で一旦、白紙となりました。そして、新年度予算案には北とぴあの改修について記載がありました。新しい改修計画について、詳細の説明を求めます。また、改修によって、先ほども述べたような様々な文化芸術イベントに対し、何らかの配慮がなされるのかも伺います。

⇒北とぴあは、大規模改修を見直し、「工事費の適正化」や「居ながら改修による区民利用の継続」、「安全・安心な環境の実現」を再検討の視点として、更なるにぎわい、交流促進を目指した施設有効活用など、必要な機能回復改修の内容を検討してきた。 この度、新たな改修プラン「リ・デザインプラン」をまとめ、「ホール機能改善」、「フロア利活用」、「施設維持保全」の3つの項目を軸に、安全・安心な利用環境を維持しながら、新たな価値や魅力を備えた空間づくりを進めていく。詳細については、本定例会の所管委員会において、報告する。 なお、改修の際には一時的に利用制限が生じるが、できるだけ影響が少なくなるよう工程等に配慮するとともに、早い段階での周知と丁寧な対応を行い、施設を安全かつ快適にご利用いただける環境の確保に努めていく。

文化・芸術には様々な分野がありますが、特に文学にもフォーカスしてみましょう。芥川龍之介関係については、直近で盛り上がりを見せているので、引き続き期待します。一方で、気になっているのは「北区内田康夫ミステリー文学賞」についてです。毎年開催されているこの文学賞について、今年度は203編の応募がありました。

この応募数についてどう考えるかですが、例えば、大賞が100万円かつ舞台化されるという意味で同規模の「かつしか文学賞」では2022年度の応募数は149編であり、これと比較すると多く、同じく大賞が100万円の「やまなし文学賞」では、一般部門だけで521編の応募と、これと比較すると少ないです。また、手法が異なるので、単純比較して良いかは議論の余地はありますが、三鷹市では「太宰治賞」を筑摩書房と共同共催しており、こちらは1000編を超える応募がありました。

さて、「北区内田康夫ミステリー文学賞」が新年度にも開催されるとなれば、内田氏のご遺族のご厚意に感謝しつつ、第25回と四半世紀開催されることとなります。芥川龍之介記念館やドナルド・キーンなど、他の文学的素養に注力しつつある中、この文学賞を区として、どのように評価し、今後位置づけていくのか伺います。葛飾区のように3年に1度の開催というやり方もあれば、逆に三鷹市のように民間活力によりパワーアップさせるなど、様々な考え方があるかと思います。

⇒本事業は、日本を代表する著名なミステリー作家内田康夫氏の名を冠するミステリーに特化した全国でも類をみない文学賞であり、他の文学要素と差別化を図った取組みとして歩んできた。 歴代受賞者の中にはプロとして活動されている方もおり、区の知名度・文化的イメージの向上に大きく寄与してきたと捉えている。 一方で、応募者、授賞式のイベント参加者ともに、年齢層が上昇傾向にあり、若者世代を惹きつけるための創意工夫を凝らしていくことが必要であると考えている。 また、運営面においては、先日、浅見光彦シリーズを中心とした内田文学の「深化」と「体系化」を支えた最大の理解者であり、長年本賞を支えていただいたミステリー研究家の山前譲氏が急逝され、次年度以降の運営体制について、現在内田康夫財団と協議を進めているところ。また、来年度は本賞が25周年を迎える節目の年になることから、協議の中では、単なる事業の継続に留まらず、改めて本賞の役割を再定義し、これからの時代にふさわしいあり方について検討を進めているところ。

続いてですが、漢字を書く文化の衰退または変容に関わる質問をします。まず、職員の皆様を筆頭に、先の衆議院総選挙に関わったすべての皆様、大変お疲れ様でした。今回の衆議院総選挙で開票立会人をやらせて頂き、また、これまで何度か開票立会人をやらせて頂いた経験から気づいたことを共有させて頂きますと、漢字の書き間違いなどで、機械判定が難しい疑問票が複数見られたということです。それらの疑問票の取り扱いについてですが、過去の判例を参考に、すべての開票立会人の承認の下、なるべく有権者の意思を組もうとする方向で仕分けされました。とはいえ、漢字の書き間違い、場合によっては、そもそも漢字を正しく書けないといった理由から、自分の意見が誤って政治に反映されてしまうリスクもあると痛感させられました。

漢字教育の重要性を改めて認識したところではありますが、有権者は既に成人であり学校教育の範疇を超えてしまうため、具体的にどう対応するかというのは難しいところではあります。漢字を書けない成人に対して生涯学習の観点からも考えてみましたが、何かしら事業を興しても、ターゲット層に効果的にリーチするのは簡単ではないでしょう。また、そもそも何かしらの障害によって、文字をうまく書けないケースもあるかもしれません。学生時代は一生懸命勉強しても、文化の変容というべきか、手書きをしなくなったために忘れたということもあるかもしれません。

それらを鑑み、勉強して文字を書いて頂くというよりも、選挙の投票のやり方そのものを抜本的にどうにかできないものかとも考えます。法的・技術的・運用的課題はあるかとは思いますが、投票用紙を記号で記入する方式にしたり、機械入力にしたりするなどの対応を検討しても良いのではないでしょうか、伺います。

⇒記号式投票や電子投票は、公職選挙法の規定により、地方選挙では導入できることとなっていますが、事務が煩雑になることなどから、記号式投票を併用している自治体は減少傾向にあります。また、電子投票は、機器トラブルのリスクや、タブレット端末等に係る経費、投票所の従事者の増員などが生じることから、現状では負担のほうが大きいと認識しています。 ついては、今後も引き続き、事業者のシステム開発状況や国・他自治体の動向に注視してまいります。 なお、北区では配慮が必要な方への対応として、投票補助カード、コミュニケーションボード、代理投票制度のご案内など、様々な取組みを行っており、引き続き、誰もが投票しやすい環境づくりに努めてまいります。

最後に文化および教育に関わる質問として、電子図書館を取り上げます。令和7年度予算に組み込まれた北区電子図書館の計画は、現在どのような進捗でしょうか。昨年の決算特別委員会で、他会派の委員からの質問に対し「一月の開始を目指して、業者の選定を進めているところ」との答弁があって以降、あまり動きがみえていなかったので、伺います。

⇒今年1月に公募型プロポーザルにて事業者を決定し、現在電子図書館システムの構築を行っており、3月から運用を開始する予定で、4月10日号の北区ニュース等で周知を行う。 今後、多くの問い合わせが想定されるため、図書館職員や窓口委託業者、また、学校図書館の関係者への研修も来年度にかけて実施する。 なお、電子図書館の機能の一部である、オーディオブックのサービスについては、今年1月から先行して運用を始めた。

また、その際の答弁では「最初は貸出しの多い分野の図書から充実させ、需要に対応していく」とのことでした。その方針は良いと思いますが、北区の図書館だからこそ、できることとして、ゆくゆくは北区の昔の写真など歴史的史料もデジタルアーカイブ化して閲覧できるようになれば、色々な団体や学校などの周年行事の資料作成やシティブランディングにも応用できると考えますが、いかがでしょうか。

⇒プロポーザルにあたっては、歴史的史料のアーカイブ化への対応も想定した評価項目としており、活用が見込める資料を選定しつつ、順次、進めていく想定で検討をしていく。

今回は、地域連携や文化芸術を基軸に、広範囲の質問をさせて頂きました。文化という言葉はかなり抽象度が高く、文化人類学者のエドワード・タイラーは「文化とは、知識、信仰、芸術、道徳、法律、慣習、および、人間が社会の一員として獲得したすべての能力と習慣を含む複合体」という風に定義しています。そういった学術的なことも念頭におきつつ、我々政治家としては、北区に住んでいる人達が、何を見て笑い、何をして喜び、何によって悲しむのか、そして何を残していきたいのか、それらに真摯に向かい合うことが大事ではないかなと思います。以上で私の質問を終わらせて頂きます。ご清聴、ありがとうございました。

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