
国政自民だけでは、国会の議席が過半数に足りず、じゃあどうなるんだということで政局ニュースがホットになっています。私も、日本維新の会の議員をやっていますけど、正直な話、国政が今後どうなるかも、そもそも何が正解なのかもよく分かりません。ざっくりいえば、以下の4要素を複合的に考えた上で、判断しなければいけないからです。
①相手は交渉に応じるのか
②それをすることで自身の掲げた政策の実現に繋がるのか
(=自分目線で住民生活向上に繋がるのか)
③それを決断することに対し概ねの身内や支持者は納得できるのか
④結果的に自分(自分の所属する党)に関わる支持率が上がるのか
(=自分および党の仲間の当選に繋がるのか)
政治および政局はかくあるべきものと強く主張する人(政治家、非政治家ともに)もいますけど、一部例外を除いて強い主張をするほど、客観的にみられていないようにも思います。逆に一部例外とは何かといいますと、リーダーシップを発揮せざるを得ない立場にいる人です。リーダーが迷っているそぶりを見せると、周囲を不安な気持ちにさせ、組織の士気が下がります。下手したら、組織が自滅したり、他組織の餌食になったりしますね。人間らしく迷うリーダーも魅力的ではありますけど、それは極めて身内的な視点であって、ちょっと距離がある存在であれば身内的視点にはなりづらいでしょう。なので、一般論としては、リーダーになってしまったからには対外的には、無理やりにでも奮起して、自分の主張をまっすぐ発信しなければならないのです。
さて、ここからは維新目線で状況(2025/10/16時点)を整理してみましょう。現在、今後の政局の可能性が幾つかがあります。という訳で、私の思想信条というよりは、勝手ながら個人的シミュレーションをしてみたのですが、あなたが、維新の党首ならどういう舵取りをしますか?
A.自民+維新が組む場合
①基本的に交渉相手が自民。
②維新の政策実現の可能性が格段に上がるが、自民がどこまで維新の政策を呑むか不明。
③保守的な思想の人からは満足、野党的振る舞いを期待する人からは激怒。
④成果が出た場合、自民の支持率が大幅に上がり、維新も少しだけ上がる。出ない場合、維新は関西以外は解党的ダメージを受けるだろう。また、大阪以外で選挙区調整がどうなるか不明。
B.立憲+国民+維新が組む場合 (10/17夕方時点で一旦、この話は解消)
①基本的に交渉相手が立憲や国民民主党。
②根本思想が違うので調整が非常に難航するが、一部の政策は実現できるだろう。
③保守的な思想の人からは激怒、中道的な思想の人からは少しポジティブ。
④成果が出た場合、首相を輩出した党の支持率が大幅に上がるが、ここからどうやって維新のポジションを出すかは課題となる。出ない場合、三党共倒れで、自民や参政党に期待が集まる。
C.自民+維新+国民が組む場合
①基本的に交渉相手が自民や国民民主党。
②調整に難航するが、一部の政策は実現できるだろう。
③個人への気持ちは別として、この大枠そのものへ維新支持層からは極端な不満は出づらい?
④成果が出た場合、自民・国民を中心に支持率が上がるが、どうやって維新のポジションを出すかは課題となる。出ない場合、三党共倒れで、立憲・参政党・れいわに期待が集まる。また、大阪以外で選挙区調整がどうなるか非常に混迷する。
D.自民+国民が組む場合
①交渉の機会そのものが減る。
②独自性のある政策の実現は難しくなる。
③関西圏以外、維新支持者がいなくなり、解党的ダメージを受ける。
④成果が出た場合、完全一人負け状態となる。結果が出ない場合でも、立憲・参政党との別ポジションを見つけられないと埋没する。
E.自民が単独少数与党、各党が議案ごとに協力
①全方位外交。
②調整が非常に難航するが、ごく一部の政策は実現できるだろう。
③保守的な思想の人からは少し不満、野党的振る舞いを期待する人からは満足。ただし、関西圏以外、打開策を打ち出さない限りゆっくりと維新支持者がいなくなる。
④自民の成果に問わず、国民・参政党との別ポジションを見つけられないと埋没する。
組むと言っても、入閣なのか閣外協力なのか、政策ごとかなど度合はあります。また、結局解散してちゃぶ台返しとか、何らかの状況変化によって公明党が戻ってくるケースもありうるでしょう。当事者目線からすれば、静観した結果Dが維新の党勢としては一番最悪なのだと思いますが、それ以外のいずれのパターンにおいても、前へ進むのも現状維持なのも地獄だと思っております。どうせ地獄であるのなら、志高くありたいものです。






