北区議会が新体制へ。女性区長&非自民女性議長誕生(20250522時点+0527追記)

【第1回臨時会のハイライト】
昨日は、東京都北区議会の臨時会がありました。議長・副議長をどうするか、議会内の役職決めが主な議題でした。その結果として、議長は青木博子議員(公明党議員団)、副議長は石川さえだ議員(自由民主党新時代の会)となることが決定されました。区長もやまだ加奈子氏であることを考慮すると、区長・議長・副議長の三人が女性という形になりました。また、議長が非自民系というのは、北区議会の中でも非常に珍しいことです。

なお、この座組になるには、非常に複雑な経緯があり、決定に非常に長い時間がかかりました。2年と少し区議をやらせて頂いておりましたが、この期間内では1番混沌としていたと思います。どういう状況かは書き記したいところですけども、公開されていない議論は原則的に非公開ということなので、本会議や議会運営委員会でされた発言、つまり議事録に残る公開情報をベースに断片的にだけ、記します。(※なお、議事録がネット上に公開されるのは2,3か月タイムラグがあります。これは何とかしたい。)

・大沢たかし前議長(自由民主党議員団)は議長の辞任が遅くなった旨を謝罪をした。
・今回辞任された、大沢たかし前議長(自由民主党議員団)と近藤光則副議長(公明党議員団)が退任のあいさつで、両人共に、「話し合いでの解決が困難であり残念だった」と発言。
・議長、副議長が辞任した後、直ちにそれぞれを決定する議会内選挙が開かれ、次のような結果となった。

【議長選挙 37人(有効37票)】
◎青木博子 33票
 金田よしあき 1票
 本田正則 1票
 野々山研 1票
 山崎たえこ 1票

副議長選挙 37人(有効29票、無効8票)※法定得票数は8票
◎石川さえだ 18票
 佐藤こと 4票
 山中りえ子 2票
 野々山研 2票
 福田光一 1票
 金田よしあき 1票
 山崎たい子 1票

※うすい愛子議員(立憲クラブ)は欠席
※北区議会は慣例上、議長は2年交代、副議長は1年交代になっており、交代時期に辞任をする。
※議会内選挙は、特段、議場で立候補者が立候補宣言をする訳ではなく、各々がふさわしいと思う議員の名を勝手に書いて投票をするスタイル。よって、例えば、本人は議長になる意思が仮にまったくなくても、誰かが勝手に名前を書くことができる。もちろん、自分自身の名前を書くこともできる。とはいえ、通常は会派の方針に従う場合が多い。
※投票は、単記無記名、一人一票。
※副議長選挙は、法定得票数は今回は8。よって、過半数いかなくとも、最多得票数の人が8票以上得票していれば受かる。

【北区議会の新体制】
最後に、現時点での北区議会の状況をまとめてみます。心を無にして客観的な情報をまとめようとしたものの、1割ぐらいは維新議員からみた世界にはなっているようにも思いますので、そこを勘案した上でみてください。

2023年5月任期開始当初 40人
①自由民主党議員団 11人
②公明党議員団 10人
③日本共産党北区議員団 7人
④立憲クラブ 4人
⑤日本維新の会北区議員団 3人
無所属 各1人(※都民ファーストの会、国民民主党、無所属、新社会党、れいわ新選組)


2025年5月22日時点 38人 ※27日一部変更
①公明党議員団 10人
第2会派だったときからも、議員提出議案を全会派取りまとめて提出できる一定の調整力と人間力を有していました。昨年、第1会派となり、そこから数か月。ついに役職改選の時期を迎え、悲願の公明党議長が誕生しました。青木ひろこ新議長の下、今後、議会改革をどのように進めるかは注目に値します。10人中9人は、2期目以上ということもあり、第1会派として議会内のポストを安定的に得ています。政策面については、まちづくりにおいて共産党と激しく論戦を繰り広げることがありますが、総じて幅広い政策提言をしております。

②自由民主党北区新時代の会 7人
昨年、自由民主党議員団より離脱した議員で構成された会派。略称、自民新。自民党区議の中でも、新区長の政策を推し進めていく姿勢を強く打ち出した人たちで結成されています。なお、自民の新人3人全員はこちらに所属しており、第2会派でありながら、2期目以上のベテラン人材が4人とそこまで多くありません。期数や年数を重んじる政党ですが、それによって多数取得した重要ポストの分配に苦労し、副議長選に体調が心配される石川さえだ議員を推し(通常は票がまとまるものだが、票がまとまりきらなかったのは、体調不良を心配しての善意によるものだと安達個人は推察している)、また1期目の仲田みずき議員が常任委員会の副委員長ポストにつきました。是非、1期目でも、重要ポストで活躍できると知らしめて頂きたく思います。

③日本共産党北区議員団 6名
一時期は7人であったため、自民新と同率2位の会派でした。昨年の都議補選候補者で区議から擁立したため、1人減り、第3会派となりました。維新議員の立場からすると時折主張が違うことはあれど、平場では物腰が柔らかい人が多く、人としては尊敬できることが多いと思える人が多いのが特徴です。議会の動きや政策面の特徴としては、一部の区長提出議案や予算案に反対することがあります。今回は常任委員会・特別委員会の正副委員長ポストを計4つ獲得しています。

④維新・無所属議員団 4人
3人会派日本維新の会北区議員団と無所属加藤みき議員が合流して、今年春にできた新会派です。4人全員30代かつ1期目であり、現役世代目線からの政策提言を得意としています。政党日本維新の会としましては、山田区長を区長選のときに推薦しました。山田区政の議案にただ賛成するだけでなく、賛成討論まですることもありますが、議員報酬アップなど譲れない議案には反対をするなどの動きをしています。今回は特別委員会の副委員長ポストを計2つ獲得しています。

⑤自由民主党議員団 3人
元々は11人での第1会派でした。7人が新時代の会へ移り、1人が都議補選に出馬したため、残った3人よる会派です。そのような経緯を辿ってきたため、前年度は3人会派ではありながらも、議長ポストを有していました。自民党区議の中でも、ある種の公平性を大事にし、また「本来、二元代表制度下において行政側のチェックを行うことが議会の役割」と主張としています。なお、今回のポスト決めで、重要ポストの枠があてがわれていません。

⑥区民のミカタ 3人
立憲クラブの花見たかし議員、都民ファーストの会の山中りえ子議員、国民民主党の濱田知明議員によって、この春誕生した新会派。大々的に新会派結成の告知をしている訳でもなく、新会派結成以降、まだ定例会での発言の場がないため、これからどのような動きをするかは、傍から見ていても、よく分かりません。今回は常任委員会の委員長ポストを1つ獲得しています。

⑦立憲クラブ 2人 ※2025年5月27日変更・追記あり
花見たかし議員が区民のミカタに移ったため、2025年4月より4名から3名の女性だけの会派になりました。うすい愛子議員が体調不良で長らく欠席しており、また幹事長の赤江なつ議員も時折体調等で欠席等が目立つなど、傍から見ていて、運営が大変そうな会派です。心からご自愛ください。3人の得意分野は福祉やマイノリティーが中心。今回のポスト決めで、重要ポストの枠があてがわれていません。
そして、5月27日に青木のぶえ議員がこの会派から離脱することが正式に告知されました。これをもって、立憲クラブは3名から2名になり、交渉会派(3名以上)から会派(2名)へと変更。代表質問をする権限を失うなど、これまでよりも活動が制限されてしまいます。

⑧無所属 れいわ新選組 1人
介護などの福祉分野に特化して、想いを訴えます。時折、共産党と足並みを揃えることがあります。現場主義のところがあり、本当に重要だと思っていることには、イデオロギー関係なく驚くほどの切り込みを入れます。

⑨無所属 新社会党 1人
公務員の待遇向上などを主張することが多いです。ラフな雰囲気で論戦をするのも得意です。時折、共産党と足並みを揃えることがあります。

⑩無所属 立憲民主党 1人 ※5月27日追記
5月27日に立憲クラブより青木のぶえ議員が飛び出しました。「立憲クラブ」の欄でも言及しましたが、立憲クラブの会派運営は傍から見ていて大変そうではあったので、様々な事情等が重なったのだと推察されます。なお、青木のぶえ議員は、女性問題や健康志向についての発言が多いです。
※無所属の順位について、今回の⑧~⑩は便宜的に付けましたが、後日話し合いがあると考えられます。

最後にですが、非公開の部分もあって、書けないことも多々ありますが、枠が決まったからには、その枠内で全力で区民生活向上に努める次第です。

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