議員が婚活してみた末路 ~政治家が婚活で苦労する理由編~

昨日の記事では、世の中一般の結婚相談所の実態について言及しました。今日は結婚相談所・マッチングアプリ・お見合いパーティーなどをいわゆる婚活と定義しましょうか。さて、議員の結婚や恋愛事情について、元都議会議員の某OTK氏曰く、「モテません。」とのこと。一部内容は重複しますが、議員の婚活事情を書いていきたいと思います。なお、ここから先の文章は、自分他人、維新内外、北区内外、全部ごちゃまぜの政治家全般の話なので、それはご了承ください。

①公職選挙法の壁
男性は女性に奢るべきかという論争が時折、ネットで見られます。その是非はともかくとして、政治家は、特に要注意です。
「政治家の寄付は禁止!」
これはまちの掲示板なんかによく貼ってあるチラシに書いてある一文ですが、自分に投票する可能性のある人、つまり自分の選挙区内に住んでいる人に奢ると公職選挙法違反になります。そのため、私の場合でしたならば、東京都北区の区議なわけでして、相手が北区内在住かを真っ先に確認することになります。
政治家の常識は社会の非常識なんて言われることもありますが、公職選挙法は婚活者を想定して作られたものではなく、既婚者という立場しか眼中にない法律のように思えますね。無いと信じたいですが、「男性政治家が居住地を偽った女に奢る」みたいな形になるハニートラップは本当にやめてくださいね。

②居住地の問題
北区の区議会議員は北区内に住まなければなりません。政治家は居住地に法的制限がかかっています。都議会議員だったら、例えば北区選出であっても、都内であれば北区外在住でも問題がないなど、若干ゆるくなります。国政や首長であればもっと緩くなりますね。

私も例に漏れず、北区内に住まなければなりませんが、結婚した場合、別居婚を選択しない限り、パートナーも北区に住むこととなります。これがどれほど痛手かと言いますと、結婚相談所でいいねを押して回って、101人からお見合い不成立の連絡が来た場合、その理由の9%は「居住地」を理由にお断りをしたとのこと(実体験)。確かに港区のようにキラキラはしていないけど、絶対にいい街にしてやるんだからね!!!ちなみに東京23区の基礎自治体の議員報酬は似たり寄ったりです。同じ年収なら北区のように居住費の安い地域の方が、自由に使える金額が増えると思うのですがね。逆にいうとキラキラ感のある特別区の議員は、お金のやりくりに苦労している雰囲気をどこか感じます。

③数年に一度、強制失職
例えばですが、何かしらのアンケートを記入する際に、「職業を次の選択肢から選んでください」と問われたら、何を選択するでしょうか?議員の場合は、「公務員」か「その他」を選択するかと思われます。私もざっくり分類されると地方公務員(ただし特別職)です。一般的に公務員に対して婚活市場で求められるイメージは「安定」です。しかし、政治家の場合は、数年に一度、任期終了に伴い職を失うこととなります。そういう意味では安定していない仕事の代表格といえるでしょう。特に婚活中の女性は、相手に安定的収入を求めているケースが多いのに、プロフィールを深堀したら、不安定の権化だったでござるとなること必須です。なお、私はお見合い中に「落選したらどうしますか?」と聞かれることが地味に多かったです。落選した場合の人生Bプランは常に忍ばせなければなりません。

④休みが合わないというか仕事観が合わない
政治家って、いつ稼働し、いつ休むのでしょうか?政治家の一番必要最低限の仕事は、議会や委員会に関する仕事です。これは、毎日ではなく(むしろ稼働日の方が少ないですが)、平日の日中帯に稼働します。これ以外の時間は、原則、自由となり、政治活動にいそしむ人もいれば、地域の式典やイベントに顔を出しまくる人もいます。そういった意味で、イベントの集中する土日を忙しいと感じる議員は少なくないと思われます。よって政治家はいつ休むのかと問われるならば、「議会がない時期の平日昼間」となりますが、地域課題は無限に湧いて出るので、忙しくしようと思えば、昼夜問わず無限に忙しくすることが可能です。

世の中の多くの人は土日休みの人が多いことでしょう。お見合いやデートとなると土日を費やすことになるのが必須です。つまるところ、パートナーのための時間に使うということは、地域イベントの参加をいくつか諦めることになります。というよりも、昼夜問わずまじめに仕事をしているとアピールすればするほど、ドン引きされます。仕事に時間を費やすということは、デートの時間、だんらんの時間、家事の時間、育児の時間を失うのと同義ですからね。また、パンフレットとか作成して区政報告をするのも議員報酬から身銭を切って行いますし、地域の忘年会や飲み会参加も同様に身銭を切って参加しています。まじめに活動すればするほどお金もなくなります。普通に考えると、家の外からみればまじめでも、身内からすれば嫌なものです。

これは自己分析ですが、私がお見合いでフラれる理由の大半はこのような仕事に対するストイックさを語るがためです。仕事の話をすると明らかに相手の顔が曇ること多数。またお見合い後の結果を相談所から伝えられるときも「エネルギッシュで素敵な人だと思いましたが、休みの感覚が合いません」とレビューを頂くことが非常に多いです。私の知人にこういったお見合い事情をいうと、馬鹿正直に言わなきゃいいじゃんとよく言われるのですが、早い段階で正直に言っておかないと、双方多くの時間を浪費してしまうことになりますので、それはそれで良くないと思います。

⑤政治家の嫁になるプレッシャー
とある他党の女性議員は「今でこそ、こうして議員やっているけど、昔は議員の妻にだけは絶対になりたくなかった」と仰っていました。男性政治家だと、区議クラスでは妻が代理出席とかは北区においてはないでしょうが、首相クラスになってくるとファーストレディ外交をするなど一定の役割が期待されます。また、お見合い中に「選挙を手伝わなければいけないのですか?」と聞かれることもあり、そこを気にする人もいるようです。私生活がパートナーの仕事に巻き込まれるリスクを懸念しています。だからといって、既婚者が政治家を目指す方が良いのかと問われると、妻が夫の転職に待ったをかける「嫁ブロック」が発動するケースもありますので、どちらが良いのかは微妙なところです。

また、「政治家の嫁になる」という書き方をしましたが、きちんとデータを取った訳ではないですけど、肌感覚でいえば、男性政治家が嫁を探すときより、女性政治家がパートナーを探すときの方が幾分かハードルが低いように感じられますね。理由を考えると、「公人のブログ」としては不適切な感じになりそうなため、深く書くのはやめますが、恋愛とか結婚というのは理性だけで説明のつくものではないのでご容赦ください。

ここまで、政治家が婚活で苦労する理由を書いてきました。ただ、それでも、私の知り合いの範囲で、この1年間に5人以上の議員が結婚しています。この人たちは、どうして結婚できたのだろうというのも、考えてみたので、後ほど余裕があったら一筆したためようかと思います。

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