議員が婚活してみた末路 ~結婚相談所解説編~

実は私、結婚相談所に入会して婚活しております。去年から入会しており、月に数回お見合いしています。どこまでが私的用事かとの議論はありますが、人と会う私的用事のうちの結構な割合を婚活に費やしていますね。さて、そもそも結婚相談所って、どんなシステムなのでしょうか?IBJといわれる大手の結婚相談所の連盟のシステムを参考に解説してみましょう。なお、比較の参考として、マッチングアプリについても記載しましたが、現時点では、政治家になってからはやっていません。

①登録と面談
結婚相談所にお申込みをし、最初に面談をします。これまでの経験や希望の相手の条件、入会するか、プロフィールをどう書くかなどいろいろ話をします。大抵の場合、男性は一定の収入がなければここで、入会をお断りされます。独身証明書、確定申告など公的な年収を示す書類、学校発行の学位を示す書類なども求められますので、そのあたりで嘘はつけないようです。なお、身長体重については自己申告とのことです。男性の場合は年収をプロフィールに公開しなければならない一方で、女性は非公開も選択できます。

※マッチングアプリの場合は、大手の場合、免許書等の提示が求められるので、年齢については信頼できる場合が多いでしょうが、それ以外のプロフ記載については確実な内容とは断定できません。特に男性は年収を盛る傾向があるかと思いますし、既婚者の不倫相手探しや、ロマンス詐欺狙いの人もいます。

②マッチング
いわゆるマッチングアプリみたいなシステムを使うことになります。大量の異性のプロフィールから希望条件を入力して絞り込み、相手を選んで「いいね」ボタンを押します。結婚相談所との契約によって、月に何件いいねを押せるかは異なります。厳選して確度の高いマッチングを目指す世話好きの相談所であれば件数は少ないですし、自己責任を重要視するならば件数は多いです。双方がいいねを押し合うと「お見合い」フェーズに移ります。なお、お見合いが成立する確率は、平均して約7%と低めですので、モテない人は何十人と申し込みをして、ようやくマッチングすることになります。

ここでさらっと「絞り込み」と書きましたけど、一定の年収がないと男性は検索に出てこなくなりますので、女性からプロフィールすら見てもらえなくなります。そういった意味で婚活で重要なのは、手取りの額でもなければ、将来への期待でもなく、「直近の額面年収」です。よほど写真がよければ例外ですが、これをいったんクリアしてから初めて、人間性なり、将来性の確認をされることになります。手取りについては、カップルになった後は非常に重要な要素ですが、そもそも論として、「20歳から49歳までの未婚の男女7割が「恋人がいない」という結果(リクルートブライダル総研)なので、付き合う前の段階の方が壁としては高いのです。

③日程調整
マッチングアプリの最大の違いは、お互いにいいねを押した瞬間に相談所が介入して双方の希望を鑑みてお見合いの日程と場所を即決めることです。また、当日ドタキャン等不誠実な対応をとる場合、利用者に罰金などペナルティが課されることもあります。また、よほどの事情がない場合で、1回もお見合いせずにマッチングをキャンセルする場合も、ハードルがかなり高いです。

※一般のマッチングアプリの場合は、マッチング後メッセージのやり取りを経た上で双方気に入ったらデートの約束をします。しかし、途中で返信が返ってこなくることもしばしばですし、当日気が乗らなかったらカジュアルにドタキャンをしてくる人も珍しくありませんね。そもそも、マッチングアプリの場合は男性過多です。ロマンス詐欺をしかける人以外から1件もいいねが来ない男性会員がいる一方、もてる女性は1時間で数百件いいねが来ます。圧倒的に女性が有利な世界です。

④お見合い
ホテルのラウンジとか、喫茶店でお見合いをすることになります。結婚相談所の人が居合わせることもなく、一対一です。プロフィールに書いてあったことを深堀するとか、仕事とか趣味とかの話をします。大体1時間ぐらいを目安に切り上げ、現地解散します。解散後、お見合いの結果について、それぞれ報告をし、双方が「交際希望」を申し出たときのみ、次のフェーズ「仮交際」に進めます。お見合いから仮交際に繋がる確率は、30~40%です。
なお、IBJ加盟の結婚相談所の場合、規約のため、お見合いの支払いは必ず男性でなければなりません(絶対)。それでも、男性に申し訳ないと思う女性もいらっしゃって、何らかの心遣いをする人もいました。あと、大抵の場合は男性が15~30分前に来て、席の確保をするように指導というか案内文がありますね。

⑤仮交際
このフェーズに入り、初めてお互いのフルネームと連絡先が明かされます。お見合いまでは名字だけのやり取りですし、お見合い中は連絡先交換は禁止なのです。最初に名前と電話番号が提示されるので、男性の方からひとまず電話をし、1回目のデート日程をそこで決めることになります。そして、デートをするたびに結婚相談所にそれぞれ報告します。
状況によって、途中で打ち切りになることも珍しくありません。3回目のデートの後に、真剣交際に進むか問われます。真剣交際に進むべきか悩んでいる間に、ほかの異性に取られてしまうこともありますね。仮交際から真剣交際に発展する確率は、9.6~9.7%程度です。途中で打ち切りになった場合は、LINEとかの連絡先を交換している場合はブロックするように言われます。
その他ルールとしては、「結婚、婚約またはそれらと同等の口約束」「宿泊」「宿泊を伴う旅行」「婚前交渉」「交際期間を延長し通算6か月を経過した場合(交際期間は原則3か月)」などを行った場合は、「成婚退会」となります。

⑥真剣交際
仮交際は、あくまでも仮であり、複数人同時に仮交際してもOKということになっています。そして、真剣交際になると一人に絞り込むことになるのです。実質的に結婚に向けて話をまとめていく段階だとも言えます。お見合いをした日から3~6か月以内に結婚するか否かの決断が迫られます。なお、成婚退会した場合は、成婚料(5~30万円)を支払うことになります。人によっては、男性が女性の分の成婚料を払うこともあるのだとか。成婚後は、仮に婚姻届を提出前に破談してしまっても、成婚料の返金はありません。

ここまで結婚相談所のシステムを書いてみました。お見合いやデートなどで1回でも失敗すると、その人との次はありません。これは、書類審査、一次面接、二次面接と続く就活と同じようになります。

7%(お見合い成立)×35%(仮交際成立)×9%(真剣交際移行)=0.2%

結婚相談所は婚活最後の駆け込み寺とお考えの人もいるかもしれませんが、それは幻想だということがお分かりいただけたかと思います。500人にいいねを押して、真剣交際にいけるかどうかです。沢山の選択肢から自由に選べる半面、たくさんの魅力的な同性の中から選ばれなければならない、これはこれで修羅の世界でもあります。若者に対して「どうして結婚しないのか?」とアンケートを取ると「出会いがないから」という回答が圧倒的多数ですが、これほど出会いのツールが充実した世の中で、出会いがないということは明らかな誤りです。そう回答した人の気持ちを勝手に想像するならば、次のいずれかではないでしょうか?

・出会いがあっても、相手から選ばれないから(大半の男性/一部女性)
・出会いがありすぎるけど、理想の相手ではないから(一部男性/一定数の女性)
・出会いの場に出向いたり、ツールを活用しても、成果が出なかったから
・自分のスペックに自信がなさ過ぎて、出会いそのものを諦めているから
・だからとって、自分のスペックを上げるための努力は、恋愛や結婚から得られるリターンに見合わないから

最後に、「駆け込み寺に来るような人は、魅力がない人ばかりなんだろ?」というのは偏見です。外見も中身もすごく素敵な人とも何人かお会いする機会はありましたので、その点についてははっきりとそういえます。

反響ありそうならば、今回の記事を基軸に、私個人の体験記も書いてみようかなと思います。

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