党内選挙についての所感(東京維新代表選)

柳ケ瀬参議院議員が、東京維新の会の代表を辞任したことにより、代表選挙が行われることとなりました。有権者は東京維新の所属議員と公認予定者であり、90名弱となります。確かにある種の内輪向きイベントではありますが、党外からみても興味をお持ち頂ける人も出てくるイベントだと思います。というのも、党の運営論や政策論が飛び交い、また、推薦人を集められる求心力のある人が候補者となっているからです。

立候補したのは三名です。阿部司衆議院議員、松田りゅうすけ都議会議員、矢口まゆ町田市議会議員。以下敬称略で、それぞれの候補者の特徴と個人的な期待を挙げていきます。

阿部司 :北区と板橋区で活動する国会議員。政策的な部分はこれまでを踏襲しつつ、組織内のガバナンス改革を強く訴えます。国会議員ということで他地域や国会とのパイプ役としても向いており、組織運営の安定性という意味では随一でしょう。

松田りゅうすけ:大田区基点に活動する都議会議員。都議として、東京全体に対し俯瞰的な視点が政策に期待されます。また来年には都議選がある訳で、自身は忙しくなってしまいますが、都議選候補者に徹底的に寄り添う組織を作ることができるでしょう。

矢口まゆ:町田市の市議会議員。各議会における意思決定プロセスの公開など大胆なことを訴えます。女性ということもあり、男性の多い政治界隈の中では目立ち、東京維新は変わったと見せる広告塔のようなリーダーになるでしょう。

さて、私自身は阿部司の推薦人となっています。

阿部司は、正直なところ、全国区からみればあんた誰?と言われそうな地味な国会議員ではあり、広告塔という柄ではないような気がします。しかしながら、議員としては実は前任期では3年間で50回も登壇し、三ツ星国会議員として表彰するぐらいにはまじめに働いています。党務という観点で一番評価すべきなのは、今年の都議補選は9地域で行われましたが、維新としてはそのうち擁立できたのは、北区・板橋区と2地域だけ。いずれも阿部司のひざ元です。惜敗したとはいえ、党内目線でみれば、候補者をしっかりとサポートできた支部長だったと思います。それと、私も北区議として駅前などで活動していると、「維新」への厳しいお言葉は頂くことはありますが、「阿部司」個人へのお叱りって「あいさつしたけど、気づかれなくて悲しかった」ぐらいしか本当に聞いたことがないのです。端的にいうと、まともな人なのですよ。身内目線からであっても。

私は維新が退潮傾向にあるのは、「自滅」が原因だと思っています。全国規模で、離党者を出したり、不祥事を起こしたり、はたまた不規則発言をしたりで、少しずつ信頼を失っていったのだと思います。この場でも改めてお詫び申し上げます。そして、今回の衆議院選では似たような政策を打ち出している国民民主党に比例票では負けたのです。イメージ低下の影響は大きいのだと思います。それを踏まえたうえで、ガバナンスについて言及している阿部司は、貴重な候補者だと言わざるを得ません。

今現在、国民民主党の玉木代表は不倫やいねむり等でマスコミから集中砲火を喰らっています。財務省の陰謀とかではなく、上がり調子になると否応なしにマスコミから狙われるのは世の常です。1年前までは調子の良かった維新も、この1年間で大分狙われてきましたし、そこで受けたご指摘には真摯に向き合わねばなりません。逆にいうと、国民民主党も維新と同じ道を辿る可能性は高く、フィーバーはやがて落ち着きます。そのころには、地道にまともに活動してきた場合は、維新がまたちゃんと戦えるように地力が回復していると思います。そういった地力を蓄える体制を作るためにも、ガバナンスって特に大事ではないかなと思うのです。

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